「ソッコウで終わらせる」は即効・即行・速攻・速効のどれ? | 伝わる・喜ばれる文章講座

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「すぐに終わらせる」と言いたいとき、「ソッコウで終わらせます!」と言ったことはありませんか?

話し言葉ではあまり意識することがありませんが、この「ソッコウ」は漢字でどう書くのでしょうか?

 

① 即効

② 即行

③ 速攻

④ 速効

 

さて、どれでしょう?

 

正解はです。

 

①〜④はどれも「ソッコウ」と読みますが、それぞれ意味や使い方が異なります。

1つ1つ覚えようとすると混乱する元なので、次のように区別するといいでしょう。

 

まず、①②に使われている「即」には「すぐに」「ただちに」という意味があります。

 

①は「すぐに効く」、②は「すぐに行う」と訓読みすると分かりやすいですね。

①であれば「効く」わけですから、たとえば薬の効き目などに対して使われます。

②の場合は「行う」のですから、その場ですぐにやることを意味します。

 

よって、「ソッコーでやっておきます!」と言うなら「すぐに行う」という意味の「即行」が適切なのです。

 

次に、③④にはどちらも「速」という字が使われています。

この字は「すばやく」といったように、スピード速いことを表しています。

 

③は「すばやく攻める」ので、スポーツなどで機敏な動きで相手チームを攻め込むような場合に使われます。

 

では、ここまでの話を総合すると、④はどのような意味になるでしょうか?

「速」は「すばやく」、「効」は「効く」ことですから、「すばやく効く」ことを指します。

これは①の「即効」とあまり違わないように思えますよね。

 

その通りです。

 

「即効」「速効」はどちらも「すぐに・すばやく効く」ことを表しています。

ただし、「速効」は医学や農学といった分野で薬品などについて使われます。

「速効性」など、専門用語として使われることが多いのです。

 

日常生活で「すばやく効く」と言いたい場合は、「即効」が使われるのが一般的です。

 

「即効」が通常の表記、「速効」は専門用語と覚えておくといいでしょう。

 

今回の「ソッコウ」のように、読み方は同じでも意味が異なる言葉は同音異義語と呼ばれます。

「即効」「即行」「速攻」「速効」のように、意味が微妙に近い言葉はとくに混乱する原因になります。

 

漢字の意味や具体的な用例をあわせて覚えておくことで、間違いを防げるはずです。

 

とくに現代ではPCやスマホで文章を書く機会も増えているため、変換時に「どの漢字が正しいのか?」を判断できるようにしておくことが重要です。

知らずに間違えて使ってしまうことのないよう、しっかりと違いを整理して覚えておくようにしたいものです。