ちょっとした兆候から、役に立つことを見いだす能力に長けていることを「目鼻が利く」と言ったことはありませんか?
実はこの言い回しは間違っています。
どこが間違っているのか説明できますか?
正しくは「鼻が利く」です。
嗅覚が鋭いという意味です。
では、なぜ「目鼻」と混同しやすいのでしょうか。
考えられる原因として、「目端が利く」という言葉が挙げられます。
目端(めはし)とは眼力のことです。
素早く見抜けること、機転が利いて抜け目がないことを「目端が利く」と言います。
また、似た表現に「目鼻がつく」があります。
物事のおおよその見通しが立つことを表します。
「目端が利く」「目鼻がつく」——。
この2つを混同すると、たしかに「目鼻が利く」という言い方に変化してしまいそうです。
「目鼻」は、他にも「目鼻立ちの上品な人」のように、比較的よく使われます。
そのため、「目鼻」という言葉と「目端が利く」が混ざってしまったのではないでしょうか。
しかし、「目端がきく」「目鼻がつく」という言い方はあっても、「目鼻が利く」という言葉は存在しません。
「鼻が利く」は正しい言い方なので、混ざってしまわないように気をつけましょう。