反対意見を取り入れて文章に厚みを持たせよう | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

文章を書くとき、人は自分の言いたいことをいかに伝えるかを考えます。

 

主張やメッセージをどう伝えたらいいのか、さまざまな表現を試行錯誤することでしょう。

 

 

文章に厚みや説得力を持たせるための工夫の1つに、あえて「反対意見」を取り入れるというテクニックがあります。

 

下の例文を見てください。

 

「これからイヤホンを購入するなら、ワイヤレスを選ぶことをおすすめします。

 

 ワイヤレスイヤホンなら、邪魔な配線に煩わされることなく音楽や動画を楽しむことができるからです。」

 

 

ワイヤレスイヤホンを選ぶメリットを伝えているわけですが、この文章には1つ大きな欠点があります。

 

もし読み手が「そうそう、ふだんから配線が邪魔だと思っていたんだよね」と全面的に共感してくれれば問題ないのですが、

 

「いや、ワイヤレスは充電しなくてはいけないから、けっこう面倒だと思うよ」と考えているとしたら、「配線が煩わしくない」というメリットが一気に薄れてしまうのです。

 

 

読み手は、必ずしも書き手の思い通りに文章を受け取ってくれるわけではありません。

 

メリットを強調されればされるほど、「そうは言っても、デメリットもある」という点が気になってしまうものです。

 

 

そこで、あえて反対意見を取り入れてみます。

 

さきほどの例文に、一文を追加してみましょう。

 

「これからイヤホンを購入するなら、ワイヤレスを選ぶことをおすすめします。

 

 ワイヤレスイヤホンなら、邪魔な配線に煩わされることなく音楽や動画を楽しむことができるからです。

 

 ワイヤレスは充電する手間がかかりますが、最近は連続使用時間が長いタイプのイヤホンも増えているので大きな問題にはならないでしょう。」

 

 

読み手としては、「そうそう、充電するのが面倒なんだよ」と思っていたところへ、「なるほど、連続使用時間が長くなっているのなら、たびたび充電しなくてもいいんだな」と納得感を得られるでしょう。

 

 

おそらく多くの人が感じたことがあるはずですが、メリットしか述べていない文章は薄っぺらく思えるものです。

 

一方、メリットとデメリットを挙げて、読者に考えてもらう余地を残しつつ「やはりメリットのほうが上回る」と述べている文章には説得力があります。

 

 

反対意見を取り入れることで、むしろ言いたいことが強調され、印象に残りやすくなる効果があるのです。

 

あえて反対意見を取り入れることで文章に厚みを持たせる。

 

すぐに実践できますので、ぜひ試してみてください。