『孤宿の人』 宮部みゆき
毎回思うんですけど、この方の作品を読む場合って最初からなぜかもう面白いんです。というか、面白そう、て感じながら続きが気になって読み進めてしまいます。だからほんとに寝食が惜しい(笑)
江戸時代で四国にある丸海藩という架空の藩が舞台になります。
主人公は二人いると言っていいと思います。一人(本当のメイン)は、「ほう」という名の少女です。彼女は江戸の商家の主人を父に、そこで奉公していた女中を母にして生まれます。母はほうを生んですぐに亡くなります。そこから彼女の不幸な人生は始まります。不幸という言葉で表せないなんとも哀れな人生です。
元々、望まれて生まれてきたわけではない彼女ですからその扱いというのもひどいものです。そしてそのひどい扱いと諸事情のため彼女は丸海へ行くことになるのです・・・。
そしてある事件をきっかけに出会ったのがもう一人の主人公の「宇佐」です。彼女はまだ年若い女性であるにもかかわらず男ばかりしかいない引手(事件があった際に担当するのが警察とするならばその下で働く人達?ちょっとうまく説明できません。原作を読んでください☆)として半人前ながら頑張って働いています。
話はこの二人を軸に進められていきます。
ただ、内容がすごく入り組んでいるため、ここでうまくまとめて説明するのは私の能力では無理なので感想だけ
最後に泣きました
加賀さまからほうに「宝」という字を与えられたシーンです。
物語の中では沢山の人が死にました。ほうにとって死んで欲しくない人たちばかりです。ほうの名前は「阿呆」の「呆」からとっていると聞いています(ひどい大人たちです)。その名前からもほうは自分は本当に阿呆なのだと思っています。確かに鈍いところはあるのかもしれないけれど、ほうはよく働くし、汚い感情を持つことのないいい子なのです。
そのなかなか理解することのできない頭でほうは大切な人達が死ぬたびに理解をし、泣き、そして乗り越えていきます。その様子はなんとも胸がつまります。
無知であることは一概にいいとはいえません。でも無心であるということは汚い心を持たずに人であれ仕事に対してであれ真摯に向かうことができるのかもしれません。そして強いものだなぁとも思いました。
無心で忠義を尽くすほうに対して「宝」であるとある人は言ってくれたのです。
この方の作品でいつも感じるんですが、人の「悲しみ」というものが描かれているような気がします。この作品でもそうですが、分かりやすいものではなく、どうしようもないものだったり、ただそこにじっとあるようなそんな悲しみだと思うのです。
人が死ぬから悲しいのではなく、その人への想いがあるから悲しい。そして自分の気持ち。ままならないもの。
社会の仕組みであったり・・・。
当たり前かもしれませんが、人というのは本当に心というか感情というか気持ちというかそういうものいっぱいでできているんだな、と感じました。





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