こんにちは。アセント学習塾の山田です。
昨日と本日は、大阪府公立高校入試の特別選抜が行われました。
受験生の皆さん、お疲れさまでした。実力は発揮できましたか?
合格発表が28日ですので1週間ドキドキですが、自分を信じて待っていてください!
特別選抜というのは、学力試験に実技や面接を伴う入試のことで、
府内公立高校のなかでも、実技や面接が必要な一部の学校・学科が対象です。
具体的には、体育系と芸術系(美術・音楽・芸能文化・演劇)の学科を持つ高校、
あるいは、エンパワメントスクールという、
高校の序盤で中学までの内容を学び直したうえで高校内容を学ぶ高校、
ならびに、昼間と夜間の授業がある単位制高校が対象です。
海外帰国生や日本語指導が必要な帰国生・外国人生徒を
受け入れる高校の入試も、特別選抜で行われます。
特別選抜の国数英はA問題とB問題に分かれていて、
A問題が易しめ(基礎的問題)、B問題が普通(標準的問題)のレベルになっています。
体育系・芸術系はB問題、エンパワメントと昼夜単位制はA問題です。
理社はレベルが分かれていません。
私は新聞を取っていないので、問題を見るため今朝コンビニに新聞を買い行ってきました。
ざっと目を通して解いてみたところ、難問奇問はありませんでした。
3月に大阪府公立高校入試一般選抜を控えている受験生さんや、
来年以降の生徒さんに向けて、5教科で気づいたことと、
「おっ、なかなか歯ごたえあるやん」と思った数学の問題を紹介します。
国語
A・Bともに作文なし。記述もほぼすべて、文章中の言葉で書ける問題でした。
解答の表現にブレが出るかもしれないけれど、
解答者のオリジナリティが求められる問題はありませんでした。
英語
Aは、「~なしで」=without、を選ばせる問題がちょっと難しいかも?
さらに長文の中にも、According to=「~によると」、が訳注なしで出てきました。
これは訳せなくても設問には関係ありません。
Aは、ほとんどすべての設問が記号選択問題なので、英単語はスペルの練習よりも、
日本語に訳せるようになることを優先して覚えたほうがいいでしょう。
Bは、Aに比べると会話文も長文も長めですが、それほど難しくありません。
大阪の公立は、接触節・分詞・関係代名詞を使って名詞を修飾することを求める
並べ替え問題や和文英訳問題がよく出ますね。
あと、last=「続く」という動詞での使い方が、設問には関係なく出ています。
Aと同じく、まずは訳せるように英単語を覚えていきましょう。
リスニングはAB共通ですが、45点中11点分(24.4%)です。
中でも、no、However、といった逆接的な単語のあとにヒントがある問題が4点分ありました。
3月の一般選抜でも、これらの言葉とそのあとを聞き逃さないようにすると、
得点しやすいかもしれません。
理科
教科書レベルの知識で対応できる問題です。
水酸化バリウム水溶液と薄い硫酸の化学反応式を書かせる問題は、
教科書に載っていて定期テストによく出るとはいえ、思い出しづらいかもしれません。
計算問題も、文章を読んでひっかけに引っかからなければ、簡単。45点中4点分です。
実験結果を読み解く問題も、光合成の対照実験や中和反応の沈殿などベタなものでした。
物理・化学・生物・地学の配点は均等で、11点ずつでした(化学のみ12点)。
社会
こちらも教科書レベルの知識で対応できる問題です。
受験直前週でさえ『おそ松さん』を見ていた(悪いor余裕の)人は、
コートジボワール=カカオ豆でにやりとしたかもしれません。それは私なのですが。
歴史の出来事と年号は、細かく何年と問われませんが、
何時代かは絶対に、できれば十の位レベルの年号までは、覚えておいたほうがいいでしょう。
(たとえば、白河上皇の院政開始=1086年ならば、平安時代1080年ごろ、と)
特に戦後は年号が詰まっているので注意しましょう。
漢字で出た難しいものも、「弾劾」裁判所という定期テストでよく書かされるものくらいでした。
地理・歴史・公民の配点は、それぞれ14点・15点・16点とほぼ均等でした。
数学
A・Bともに、それぞれのレベルに合ったオーソドックスな問題です。
B問題の最終問題は、私が解いていて意外とひらめきに苦戦したので紹介します。
なお、前提の問題は、ひらめきのヒントになるかもしれませんが省略しています。
以下の図において、四角形ABCDは長方形である。Eは長方形ABCDの対角線の交点であり、EA=EB=EC=ED=5cmである。Fは線分AE上の点であり、FE=3cmである。DとFとを結ぶ。Gは、Fから辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。Hは、線分FGと線分BEとの交点である。FD=FHであるとき、辺DCの長さを求めなさい。
解説はこのあと。
解説
下図のように、FからHDに対して垂直な補助線を引き、その垂線の足をIとします。
仮定より△FHDはFD=FHの二等辺三角形なので、△FHIと△FDIは合同です。
(直角三角形の斜辺と他の一辺が相等)
よって、IはHDの中点となり、
BH=2cm、HD=8cmより、HI=4cmとなります。
△FGCと△DCBと△HGBは、それぞれ相似で(二角相等)、
相似比はFC:DB:HBより、8cm:10cm:2cm=4:5:1です。
ここで、GH=Xcmとすると、FH=3Xcm、DC=5Xcmとなります。
△FHIと△BHGは相似なので(二角相等)
FH:BH=IH:GHです。
よって、3Xcm:2cm=4cm:Xcmとなり、
比例式と二次方程式を解いて、X=2√6/3 (3ぶんの2ルート6)です。
辺DCは5Xcmなので、
答えは、10√6/3cm(3ぶんの10ルート6)。