世の中には、たくさんの“怖れ”が溢れています。 食や飲み物に対する“怖れ”、自分の生き方に対する“怖れ”、人に対する“怖れ”、医療に対する“怖れ”、陰謀に対する“怖れ”……。しかし、それらは本当に怖れるべきものなのでしょうか。
これらの“怖れ”の真偽を見抜くのは知性です。本当に注意しなければならないものなのか、それとも毎日の生活の中で偏りをなくすことによって共存できるものなのか、それともまったくの間違いなのか、それを自分で解明してしまえば、これらの“怖れ”は怖れる必要がなくなります。こういったものは、自分の外側にある“怖れ”です。
しかし、本当に怖れるべきものは、自分の中にある“怖れ”です。それによって、自分の力を発揮することなく人生の時間を過ごしてしまったり、大切な配偶者や家族を失ってしまったりしています。
人はこれらの自分の中の“怖れ”が原因で挫折を味わうことになります。このような挫折が原因でスピリチュアルな世界に救いを求める人が少なくありません。
しかし、スピリチュアルな世界は、さまざまな“怖れ”で満たされています。もともと“怖れ”が原因で挫折を味わっている人がたくさん集まる世界だからかもしれません。あれは食べてはいけないという身近な “怖れ”から、ネガティブバイアスによる政権批判まで、あらゆる“怖れ”が渦巻いています。本当に“怖れ”が好きな人たちばかりだと、思います。
しかし、本当の“怖れ”は自分の中にあります。それを見つけて手放さない限り、自分の人生を納得して生きることはできません。自分の中の“怖れ”に光を当てることこそ、本当にスピリチュアルな生き方なのです。