ロバと兄弟と時々ボク | 風の向くまま気の向くまま

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"天国"なんてのは貪欲な人間の欲望だ。
"地獄"なんてのは無力な人間の僻み妬みの妄想だ。
"天国"に勝る幸せも
"地獄"に勝る苦しみも…
全てはこの世の中にある。by大和屋 鈴

本文は基本的に『ひとりごと』ですので、あしからず。

年の離れた兄弟が、二人で一頭のロバを引いて歩いていると、通りすがりの人から次のように言われました。
「君たち、せっかくロバの背が空いているのに乗らないのかね?」
そこで兄の方がロバに乗り、弟が引くことにしました。
しばらく行くと、通りすがりの人が兄の方にこう言いました。
「君は年下の者への思いやりがないのか。年長者として恥ずかしくないのかね?」
兄はあわててロバから降り、弟を乗せてロバを引くことにしました。
しばらく行くと通りすがりの人が弟の方にこう言いました。
「なんという礼儀知らずな奴だ。年上の者にロバを引かせるとは」
そこで兄弟は、二人してロバに乗ることにしました。
するとこんどは、通行人たちが兄弟を見ながら言いました。
「あれではロバがかわいそうだ」
兄弟はロバから降り、二人してロバをかついで歩き始めました。
しばらく歩くと、兄弟はヘトヘトに疲れ、橋を歩くときに足を滑らせ、ロバとともに川に転落してしまったのでした。

チャンチャンφ(..)
さてこの兄弟を「他人の言うことに振り回されてバカな奴だ、自分の考えがないのか?」と笑える人が果たしてどれだけいるか...(。-∀-)