Scienceが選んだ今年のBreakthrouh | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

Scienceは今年も2011年の科学界の画期的な研究成果を発表した。
Breakthrough of the Year は HIV Treatment as Preventionとして、大きな成果をあげたHIV研究HPTN 052を選んだ。

この臨床研究では、HIV感染者に抗レトロウイルス療法(ARV)を施行すると、パートナーへのHIV伝播率が96%低下することが示された。
ARVがHIV感染者の治療に有効であることに加え、感染伝播率を低下させるという二重の効果をもつのだ。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校医学部のMyron Cohen率いる多国籍チームは、2007年にHPTN 052研究を開始し、被験者となった異性愛者のカップル1,763組は、ブラジル、インド、タイ、米国、ボツワナ、ケニヤ、マラウィ、南アフリカ、ジンバブエの9カ国で登録された。
各カップルの片方のパートナーはHIV感染者で、その半数にARVを、残り半数の感染者には経過観察を。
重度の免疫不全を示すCD4数250未満(200未満はAIDSであることを示す)になってからARVを行ったという。
研究終了まであと4年を残した時点で、独立モニタリング委員会は、研究に参加した全感染者に即座のARVが必要と判断し、研究の終了が宣言された。


日本もエイズに毎日4.3人が感染しているという厚生労働省の最新データがある

決して海外の話ではないからこの研究の成果は朗報だ。


Scienceは「はやぶさ」研究など、他にも科学的業績を9つ選び、2011 Breakthrough of the Yearのトップ10として掲載する。

http://www.sciencemag.org/site/special/btoy2011/