皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。
昨日は、1人3万円の所得税定額減税について、6月以降月次での処理について書きました。今日は、年末調整時にはどのような計算をするかについて概説します。
月次処理の中で、「6月1日以降の状況変化(扶養親族増加等)は年末調整で加味」ということでしたが、いろんなケースが考えられるでしょう。7月にお子様が生まれた、8月に転職した、年の後半になって配偶者の所得が120万円になりそうだと分かった、などなど。こうした状況の変化を加味して減税処理を確定させるのが年末調整です。
こちらも細かな点はともかくとして、計算方法の概略を示しておきます。なお、昨日記載した月次処理についても、まったく同じものを最後に再掲しておきましょう。
【年末調整時の計算】
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【1】例年通り年末調整を行ない、年所得税額を確定
【2】年末の状況での定額減税額を確定(3万円、6万円等)
(1)【1】≧【2】の場合(=定額減税額を控除しきれる場合)
【3】【1】-【2】で年調年税額確定
【4】月々の★定額減税控除後★の所得税額を集計
【5】【3】と【4】の差額精算により還付または追加徴収
(2)【1】<【2】の場合(=定額減税額を控除しきれない場合)
【3】年調年税額は0。控除しきれない定額減税額は自治体から給付。
【4】月々の★定額減税控除後★の所得税額を集計
【5】【4】の金額を全額還付
★源泉徴収票への記載
・摘要欄に「減税控除済額」を記載
(1)の場合→上記【2】の金額を記載
(2)の場合→上記【1】の金額を記載
・摘要欄に「控除外額」(=控除しきれなかった額)を記載
(1)の場合→0
(2)の場合→【2】-【1】の金額を記載
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【月次減税処理】…昨日の再掲
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【0】月次調整の対象者
(1)6月1日時点の在籍者で、扶養控除等申告書の提出がある方
(=源泉徴収税額表の甲欄適用者)
(2)5月31日までの退職者は、6月以降支払給与があっても考慮不要
(3)6月2日以降入社した方は月次での減税処理なく、年末調整で加味
【1】特別減税額の確定
(1)本人 3万円
★今年の給与収入2,000万円超見込みの人は対象外
(=所得見込み1,805万円超)
(2)配偶者
a)今年の給与収入103万円以下かつ国内居住者 → ○ 3万円
b)今年の給与収入103万円超 → ×
c)非居住者 → ×
(3)扶養親族
★年齢は関係ありません(16歳未満も対象)
a)今年の給与収入103万円以下かつ国内居住者 → ○ 3万円
b)今年の給与収入103万円超 → ×
c)非居住者 → ×
例)配偶者収入0で扶養の子どもが2人いる場合
本人・配偶者・子ども2人で、3万円×4=12万円
【2】特別減税額の控除方法
(1)6月以降に支払われる給与・賞与の(通常)源泉所得税から控除
(2)6月で控除しきれない場合、7月以降の給与・賞与から順次控除
(3)6月1日以降の状況変化(扶養親族増加等)は年末調整で加味
(4)6月以降の給与明細には、通常の源泉徴収税額と特別減税実施額を別表記
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