【対話】共通言語 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 大昔、監査法人に在籍しているとき、監査の結果を外国人会計士に審理してもらう機会がありました。もちろん英語ですが、からっきし英語がダメなので、かなり緊張したことを覚えています。

 一方で、どこか楽観もしていた。会話を交わす言語は英語でも、そこは会計士同士、会計という共通言語を持ち合わせています。売掛金は回収できるのか、不良在庫はないか、固定資産の償却計算に問題はないか。英語自体は難しくても、何を聞かれているのかは、およそ想像がつくもの。かたことの英語で、何とか審理を終えることができました。

 その後、とある会社で投資家向けのIR活動をしていたときも、英語について同じように感じた記憶があります。こちらは英語を話せない。でも、英語で何を聞かれているかは分かります。業績はどうか。今後の売上見込みは。経費削減は進んでいるか。他社との提携やM&Aはあるのか。日本語でも英語でも、聞かれることはそれほど大きく違いません。

 通訳の方はいましたが、相手の英語の質問→こちらの日本語の回答→通訳の方の英訳→相手の英語の質問→……(以下、繰り返し)。つまり、相手の英語の質問を日本語に訳してもらう時間だけは節約できました。

 英語か日本語か。その違いも重要ですが、それ以前に、会計やIRといった同じ土俵での共通言語を共有しているかどうかが、意思疎通を図るうえでより重要という気がします。

 共通言語を有する関係の中では、会話がスムーズに進む。10言わずとも20理解できる。より深い会話になることもある。ある種の心地良さを感じる時間でもあります。

 一方で、浸りすぎには注意が必要でしょう。本来、言葉には、共通言語を持たない間柄に橋を架ける役割もあるはず。むしろ、会計という共通言語を持たない人に、いかに会計の話を伝えるか。その点こそ、会計士なり税理士なりに求められる一側面なのだと思います。

 町では新入社員らしき人たちの姿を見かけるようになりました。そうした方々向けか、この時期の日本経済新聞には、会計の基礎を解説する記事が毎年掲載されます。貸借対照表(BS)とは、損益計算書(PL)とは、キャッシュフロー計算書(CF)とは。すっかり読み飛ばしていますが、複式簿記という共通言語を持たない人に財務諸表を説明するのは、簡単ではありません。売上はBSのどこに出てきますか。この質問にどう答えるか、日々、向き合っています。




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