【閃き】筋の通った生き方 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 今月の日本経済新聞『私の履歴書』連載は、元財務次官の武藤敏郎さん。元官僚や創業者ではない会社社長の話は総じて面白くない。そう思って、昨年までなら読まなかったと思います。

 今年になって1つ決めたことがありました。といっても大層な話ではなく、『私の履歴書』は誰が書く連載であっても、ゆっくり読んでみようと。なるほど、官僚も頑張っているなあという発見があるかもしれない。サラリーマン社長の話はやはり面白くない、という確信が深まるかもしれない。

 いや、『私の履歴書』だけでなく、1つ1つの記事を「読み飛ばし」がちだったこれまでの読み方をあらためて、最後まで「読み切る」意識を持つようにしています。読み飛ばしは、正確に言えば読んでいない。読み飛ばしではなく、読まず飛ばしです。

 それはともかく、武藤さん。18日の内容は、1998年に発覚した銀行・証券による大蔵省官僚への過剰接待問題でした。「1月26日、特捜部は東京・霞が関の大蔵省本省などを強制捜査し、金融検査部の職員2人を収賄容疑で逮捕した。飲食やゴルフの接待などが賄賂に当たると判断された」(18日、日経)。

 その後、大蔵大臣が辞任。官僚である事務次官も辞任。当時、官房長だった武藤さんは、当時の橋本龍太郎首相から、まだやるべきことがあるとされて降格どまり。その後、大蔵省の再編などが起きるのですが、こうしたピンチのときに2人の政治家が電話をしてきたそうです。

「自民党の加藤紘一幹事長と野中広務幹事長代理だった。どちらも「辞めてはいけない。君が辞めたら大蔵省はどうなる」「大蔵省を立て直すのがあなたの役目だ」などと励ましていただいた。加藤さんも野中さんも、与党内で大蔵省批判の急先ぽうだった。財政・金融の分離問題でも大蔵省に厳しかったのだが、崖っぷちに立たされた私へのこれらの意外な言葉を忘れることはできない」(同)。

 かつて、野中さんが日曜日朝の番組に出演されていたときのこと。戦争と沖縄の話題になり、野中さんが腹の底から「沖縄には頭が上がらない。これからも戦争だけは絶対にしてはいけない」と声を絞り出していた場面がありました。戦争を同時代人として経験した政治家たちは、多かれ少なかれ、そのような思いを抱いていたはずです。

「「俺は沖縄には行くことができない。先の大戦のことなどを考えると、沖縄に申し訳なさすぎて向ける顔がないんだ」 そう漏らしていたのは、後藤田正晴氏だった」(2017年5月2日、AERA)。

 こうした戦中派がいなくなり、タガが外れてしまった。人間は何を大事にしなければならないか。生き方の背骨を失ってしまった。武藤さんの25年前のエピソードからも、今のズブズブの政治不正問題の背景が見えてくるようです。




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