【対話】年末調整とPL | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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「年末調整の還付額は、PLのどこに出てくるんでしょうか?」

 先日受けた質問です。こういう質問をいかに出ないようにするかが税理士の役割で、そういう意味では、まだまだ至らぬ点ばかりだなあと反省した次第。

 質問の意図を想像します。おそらくこうでしょう。「年末調整で従業員に金銭を還付するということは、その分現金支出があるので、PLの費用に出てくるのではないか」。

 それは違うので、会社は単なるパイプ管ですよ、という話をしました。たとえば、50の給与総額で、源泉所得税10を控除して40の給与を支払うとしましょう。

┌───┐   ┌───┐①50┌───┐
|税務署|   |会 社|――→|従業員|
| 10|←――|▲50|←――| 40|
└―――┘②10└―――┘①10└―――┘

 ①:給与支払と同時に源泉所得税徴収
 ②:徴収した源泉所得税の納付

 会社のPL :▲50
 税務署のPL:+10
 従業員のPL:+40

 これで、収支トントン。つまり、会社はあくまで50の費用を負担したのであって、そのうち源泉所得税10はお金の流れが少し違うだけ。従業員から預かった体裁にして、その分をスルーして税務署に納付するだけの話です。

 年末調整の還付となると矢印の向きが少し変わりますが、基本は同じ。会社は従業員と税務署をつなぐパイプに過ぎません。

 ただ、冒頭の質問には意義があり、会社はPLで考えるよりも現金収支で考える癖がついていたほうが安全でしょう。日々の活動で常に問題となるのは資金繰り。借入金の返済がある場合、その原資は利益でなければなりません。追加の借入で返済していたのでは、自転車操業になってしまいます。

  売上
 ▲原価
 ▲費用
 ―――
  利益★
 ▲返済(元本)
 ―――
  余剰☆……資金の増加

 ★で喜ぶのではなく、☆を確認する習慣が必要です。




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