【閃き】いろいろな分類 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
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こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 文学は、よく「純文学」と「大衆文学(エンターテイメント)」に分類されるのだと思います。芥川賞は純文学の登竜門と言われますが、では、両者の違いは何なのか。

 作家の中村文則さんは、綾野剛さんとの対談で語っていました。「ストーリーの盛り上がりがあるのがエンタメで、ないのが純文学だという人もよくいるけど、それは大きな間違いでしょうね」(『自由対談』河出書房新社、P.28)。

 では、中村さんの言う「純文学」とは何か。「例えば「僕はタバコを吸った」って言ったら、それは吸った以上のことは一切表現してない。けれど、「僕はタバコを吸うことにした」って言うと、ちょっと何かがその奥にあるでしょう? なんで吸うことにしたのかなとか。更に「僕はタバコを吸わなければならないと思った」って書くと、また何かが奥にある。奥が伝わってくるような言葉を書くのが純文学。これは完全に僕の定義ですけどね」(同)。

 絵画にも様々な分類があるでしょう。純文学のことを書きながら思い描いていたのは抽象画です。人物や風景や対象物を描く「具象画」に対して、線や形や色で描かれている「抽象画」。文学の分類と重なるわけでもないのですが、「これは何だろう」と否が応でも考えさせられるのが抽象画かもしれません。

 最近、プロのカメラマンと話をする機会があり、過去に撮影した写真のいくつかを見せてもらいました。「なるほど、写真というのは芸術なのだ」と強く感じたのは、沈んでいく夕陽を黒い背景にして、5人くらいの人たちがジャンプしたり肩を組んだりしている写真を見たときです。美しい。カッコいい。アートだ。そう思いました。

 同時に、完全な素人で、ちょっと立派なコンパクトデジタルカメラを買った私が撮りたいのは、中村さんが言う「奥が伝わる」ような写真なのだということも理解しました。先日、訪問した顧問先での会話の流れで、これまで撮った写真を紹介することに。大層なお言葉をいただきましたが、何か奥にあるものが伝わったのかもしれないと思うと、嬉しい限りです。

 純文学とエンターテイメントの境目が曖昧なように、あるいは境目が明確であってもそれぞれに求められるものが違って両立するように、分類はその世界への理解の目安であって、正否や善悪といった価値観の問題ではありません。

 税理士業務にも、法人、個人、資産、国際、組織再編、などの分野があります。特に資産税や国際税務、難解な組織再編系などは、特化した事務所もあるでしょう。私も含め、多くの税理士は法人、個人、基本的な資産税は扱っているはず。特化した分野は、特化した事務所に依頼します。では、誰もが扱っている分野に、どんな調味料を加えるのか。奥に何かがあるというひきだしをどう整備するか。

 もっとも重要な要素は速度でしょう。疑問や質問には1時間以内に答える。そもそも職員がいませんので、税理士本人が対応して、その場で完結します。あとは、このブログもそうなのですが、外からの風を入れて常に社会への鮮度(好奇心)を保つこと。○○系という分類で表現できないので、もどかしいところですが。




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