【読書】ハングリーであること | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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こんにちは。
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 歌にしても、本にしても、「あ、これは今の自分のために語られた言葉だ」と感じる瞬間があります。物理的に、そんなことはあり得ません。面識がない一個人のために作者が言葉を紡ぐことはないはず。もっぱら受け手側の解釈として、作者との会話が成立する瞬間があるのだと思います。

 最近読み終えた『日本経済の見えない真実』(門間一夫さん、日経BP)。この方のコラムは、不定期に日本経済新聞に掲載され、読む都度、なるほどと理解が深まることが多かった。それがたまたま本屋さんをうろついているときに、著書を発見しました。まさか著書があるとは思っていなかったので、本と目が合ったのがご縁と思い、即購入。マクロ的な経済の見方を勉強したいと思っていたこともあり、線を引きながら一気に読了する、という滅多とない経験をすることになりました。

「あまり言われていないことや通説と異なる内容が、結果的に多くなった」(P.6)。でも、それが文章を書く意義だと思います。自分でない誰かが言っていることであれば、あらためて自分が語る必要はありません。この1冊を読んでいたおかげで、たとえば昨日の日本経済新聞に掲載された「植田日銀への注文」という記事も興味深く読めました。4人の識者が好きなことを語っていますが、その背景が理解できるようになっているのです。

「2%(物価目標)達成がどこまで日本経済の成長にプラスになるかはあまり自明でない。もともと物価目標はデフレではなくインフレの防止策として導入された歴史的経緯も知っておきたい」(10日、日経、仲田泰祐さん)。

 はい、門間さんの本に解説されていました。「もともと、期待を重視する理論は、高インフレの1970~80年代に、「高すぎるインフレ率を下げたい」という課題への処方箋として発展した。中央銀行が「インフレ率を下げるためならいくらでも利上げをする」という意思を示せば、「それなら確かにインフレ率は下がりそうだ」と人々は考える。…(中略)…ところが、同じロジックを、「低すぎるインフレ率を上げたい」時に使うことはできない」(前掲書、P.148)。

 読み終えた瞬間に、再読したい。そう思える内容で、今日からの東京出張に持って出るか思案中。それはともかく、内容を語るにはもう少し時間をいただくとして、「ああ、こういう視点を持ちたいなあ」と思った文章を1つ、紹介しておきます。「いざなぎ景気のころまでの日本が高成長だったのは、日本のイノベーションの力が今より高かったからではなく、日本がまだ発展途上だったからである。ハングリー精神なら今よりあったかもしれないが、それは本当にハングリーだったからである」(P.42)。

 知識や知恵については、いつまでもハングリーでありたいものです。




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