こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)
の「本業ブログ」にようこそ。
何かものづくりをしている工場があるとします。
自転車でも、お菓子でも、ネジでも、何でもいい。
その「もの(製品)」を作るのに必要となった原価が「製造原価」です。すぐに思い浮かぶのは材料費、工場で働く皆さんの人件費、あるいは工程を外注に出しているのであれば外注費、など。
それ以外にどんな製造原価が考えられるでしょうか。
工場の電気代(水道光熱費)
工場で使う消耗品代(消耗品費)
機械を維持するのに必要な修繕代(修繕費)
工場にある設備の老朽化による費用(減価償却費)
などなど。
先日、とある経営者の方と試算表をにらめっこしながら、これは製造原価、これは販売管理費、といった区分を議論していました。
当たり前ですが、製造原価に含まれる項目が増えれば増えるほど、製品を製造するのに必要となる原価が増えるということ。いや、順番がおかしいですね。製品を製造するのに必要な原価を、製造原価に分類するのが会計のルールです。
その結果、その製品の売値(売上)から、必要な原価(製造原価)を控除して、製品が稼ぎ出す粗利益を導き出すことができます。
材料費、人件費のみであれば粗利率50%でも、その他の経費を製造原価として集計すれば、粗利率10%となるかもしれません。
製造原価に集計されない販売管理費(間接部門の人件費、物流費、広告費、交際費等)を賄うためには、粗利益がどれくらいないといけないのか。そういった分析も、まずは、現状の粗利益を正しく把握することから始まります。
会計には一定のルール(先ほどの費用区分など)がありますが、会社の舵取りという意味で考えれば、まず最初にあるべきなのは、経営者の「何が知りたいか」という思いではないでしょうか。
何が知りたいか、を見せるのが会計。
経営者にとっては、損益構造をどう見たいか。それが、次の意思決定につながります。
投資家にとっては、分配原資をどう見たいか。それが、投資の意思決定につながります。
矛盾するようですが、私は、経営者が会計を理解している必要は必ずしもない、と考えています。それよりもむしろ、会計のことを知らなくても大きな方向を過たない感覚と、出てきた数字をおかしいと感じるセンサーが経営者には必要なのではないか、と。
会計は企業活動の結果を、事後的に明らかにするもの。あくまで黒衣(くろこ)であり、経営者のセンサーとのブレがないかを示す指針なのではないかと、私は思います。
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