不動産の取得価額 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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 不動産を取得する場合、どのような金額を支払うでしょうか。


1)土地・建物の取引金額
2)不動産鑑定に関する費用
3)不動産業者への仲介手数料
4)不動産取得税
5)登録免許税など、不動産登記に関する費用
6)年初に課税された固定資産税の未経過分精算金額


 では、上記のうち、どこまでが固定資産の「取得価額」として資産計上で、どこまでが「費用」となるでしょうか。


 「取得価額」か「費用」かの違いは、取得価額に算入して減価償却によって徐々に費用処理していくか、取得時に一括費用処理するかの違いです。つまり、長い期間を通して見れば、費用処理するという発想に変わりはありません(土地は除く)。


 会計上の理屈では、いずれも固定資産の「取得」に要したものですから、1)の本体価額だけでなく、全てを合計したものが、不動産の取得価額になります。


 税務上の原則も同じです。条文では、「当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)」と規定されています。


 一部例外として、税務上、4)5)については、固定資産の取得価額に算入しないことができる、と定められています。取得価額に算入しないということは、取得した時の費用として処理できますので、会社の税負担はその分減少します。会社有利の取り扱い、ということですね。


 土地の場合、減価償却という概念がありませんので、取得価額に算入すると、その後費用処理する機会はありません。
 また、建物の場合は減価償却を通じて費用計上することになりますが、耐用年数が長いため、費用処理するのに時間がかかります。


 不動産取得税や登録免許税は、取得時にのみ発生する費用です。その費用を原則通り取得価額にしてしまうと、費用処理まで相当の時間を要することになり、会社にとって酷な取り扱いになる、という配慮ではないかと想像します。



 あと、6)の取り扱いは要注意です。よく、不動産売買の際、1/1を基準に課税された固定資産税について、売主と買主で負担を調整しているケースがあります。これはあくまで、売主・買主間の話であって、決して買主が固定資産税を負担しているわけではありません。従って、その精算金額は、単に取引価額の一部として扱われ、取得価額に含まれることになります。