にほんしゅの酒蔵見学・三重県津市『寒紅梅酒造』さん | 【日本酒のきき酒師の漫才師のにほんしゅ】 あさやんのブログヤッホー!!

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先日、我々が都内で定期的に行わせて頂いております初心者向けの日本酒講座『日本酒ナビゲーター認定講座』の出張版第一弾を、三重県四日市市で開催させて頂きました!


その際、こんなチャンスは無いと言う事で三重県の酒蔵さんの内ご都合があいお時間の調整をして頂きました5蔵の酒蔵さんに見学に行かせて頂きました。


その見学の様子を一蔵ずつお伝えさせて頂きます。



先ず初めに伺わせて頂きましたのは三重県津市で『寒紅梅』を醸されてます寒紅梅酒造株式会社さん。蔵は伊勢湾から1キロ、旧伊勢街道をヒョイと入った所にあります。

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ご案内して頂きましたのは増田専務。見学に行かせて頂く数日前にご縁で沢山お話をさせて頂く機会があり、福岡までの出張前というお忙しい時にも関わらずとても丁寧にご案内くださりました。


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見学をさせて頂く前に先ずは試飲をさせて頂きながら、寒紅梅さんの日本酒造りについてお話を聞きました。



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「うちの酒のキャッチコピーはケンタッキーから刺身まで合う酒。中国行った時は小籠包からエッグタルトまで合う酒と謳ったら『何ですかそれ?』って言われて「何にでも合うって言って!」って慌てて通訳に伝えましたわ笑」とツカミが抜群の増田さん。蔵に到着してから3分でガッツリ心を掴まれました。



そこからお話を伺っていくと、寒紅梅さんは6年前から清酒造りに力を入れており、それまでは売り上げの9割が梅酒だったそうです。特にその梅酒の売上アップに繋がったのが『カルピス入り梅酒』を発売した時だそうで、一年間で売る分の梅酒が三日で無くなる程のヒット商品になったそうです。

しかもそのカルピス入り梅酒を発売するキッカケが印象的で、そもそも寒紅梅さんには明大の生徒さんが毎年数人造りの体験に来られるそうなんです。その時、お酒に弱い学生さんが増田専務に『梅酒とカルピス割ったら呑みやすくて僕でも呑めると思います』と言った事がキッカケで「ほんまかぁ!お前それ誰にも言うなよぉ〜笑」と実際に発売に至ったそうです。
そして予想以上にそのカルピス入り梅酒が売れたもんやから新しい味のカルピスが出る度に新商品を作っていってると、最終的にはカルピス頼りになってしまい、「マンゴーが欲しかったのにストロベリーが出てきたりして。しょうがなしにストロベリーとブルーべリーが出た時は『ストロべリー×ブルーべリー』のベリーベリーで梅酒と混ぜたら三色になってもうたんですわ。それはそれで売れたんですけども笑。」と、まさかの発売経緯をお話し頂き、増田さんの噺家さんの様なトーク力だけでも満足できる程べしゃりで酔わせて頂きました。

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その柔軟な考えと行動力をお持ちの増田専務が清酒造りに力を入れたのは38歳の時。

食事で欲しくなるのが魚が多くなり、自分が造った酒と魚が合わないことに気づき、魚にあうような美味しい酒を作りたいと思い沢山の日本酒を全国から取り寄せその中で特に感動したお酒が佐賀県・五町田酒造さんの『東一』だったそうです。そして直ぐに当時東一の製造部長だった勝木慶一郎先生の所へ弟子入りしに行き、勝木先生に当時の寒紅梅さんの蔵を見てもらうと『美味しいお酒を造るには先ずは環境作り』と言われ、増田さんは「その為の設備投資金額を計算すると3000万円位かかる事が分かったんです。そんな金あらへんから自分達で自分達で作ってまえいうて手作りしたら300万円程に節約できましたわ。」と、そこでも増田さんらしい発想力と行動力!!



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その後酒作りの方法を聞くと勝木先生から『お前の思うように作ったらえぇ』と言われ「その作り方が分からへんから聞いてんのにねぇ、、。」と当時の事を思い出して苦笑いする増田さん笑。


とにかく思うように造った普通酒(特定名称がついていないお酒)を出荷すると「今まで寒紅梅毛嫌いしてたけど今年の寒紅梅どうしたんですか?」や「良い杜氏さんが入られたんですか?」等のお手紙が一斉に届いたらしく、その事を勝木先生に報告すると『お前は呑んで美味かった酒を作った蔵にわざわざ手紙送るか?100人に1人や。』とノセて貰って、酒造りが楽しくなり世界が変わったそうです。そのタイミングでSAKE COMPETITON2013純米大吟醸部門第2位に!!


行動した後には結果を常に出す増田さん。
手作りの設備がどれなのか、俄然蔵見学が楽しみになった所でいよいよ蔵の中へ。



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寒紅梅さんは全て瓶貯蔵で、瓶は100%新品。
入ってすぐの所に夏場に集めた空のピー箱の山が。早く外に出たそうにおとなしく待ってる感じがしますね。


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酒母室。こちらで寒紅梅の酛が造られます。


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寒紅梅の醪ちゃん達。順調に育ってよー!


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お米を蒸す為の甑。「蒸しの際、水は気体になる瞬間に生ぬるい悪い蒸気を出すからそれを逃す為に釜は移動式にしてるんです。」と甑を動かす先には蒸気を逃す装置が。


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「これは福岡のIさんの所から貰って節約できましたわ笑」と増田さん。他の蔵元さんにも愛されてるのが装置を通して伝わってきます。


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麹室。ここが凄かった。
なんとこの麹室が手作りです。

業者にお願いすると1000万位かかる所を50万程に抑えれたらしいです。天才的なDIY精神!


増田さんはこの麹室で「100パーセント理想の麹室を作るのは難しいけど最低限戦える室を作る事は出来る。F-1みたいな麹室を作るよりもクラウン位の良さで良い。麹室がF-1でも蒸しが軽四ならどうしようもないから。洗米と蒸しが酒造りの85点分あると勝木先生に教えてもらいました。」と酒造りに対する熱い気持ちを100パーセントで教えて下さり、

「しかもこの麹室はホットカーペットと電気毛布を常備して、煙突の高さを室温と外気の温度が10を割れば空気が回る設計にしてるから、24時間体制の酒造りではなくてちゃんと家に帰って体を休める事の出来る『人間の都合に合わせた酒造り』が実現できてるんです。」と蔵人の事を最優先にした、麹室の様に心が温かい増田さんの心意気も伝えて頂きました。



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その他、「でも『基礎は大工にしてもらえ』と先生に言われたんですが、それも自分達でやったらしっかり歪んでまいました。やっぱり基礎って大事なんやな〜って学びましたよ笑。」と、ここでの失敗からの学びまでも教えて下さりました笑。



ちなみに天井は800円のべニア板ですが、べニア板は拭くと毛羽立つので床は勇気を出して1980円の板を使用しているそうです。「一枚1980円の板はだいぶ勇気いりましたよー笑」ととにかく節約魂の増田さん。増田さんの節約DIY本が欲しい。笑



しかし節約だけではありません。

昔宴会場となっていた部屋をご案内して頂いてる時、

「ここももぅ使わんのんでね、改装して仕込みをもっと効率よくしたいんですわ。見学しにきて貰った人に蔵をもっと見やすくする様にしてもえぇんですけど、やっぱりうちは造り酒屋であって『酒が呑めるテーマパーク』やないんでね、もっと美味しいお酒を届けれる様に、導線がスムーズで効率よく造れて、もっと蔵人にも負担がかかりにくい様な蔵にしたいんですわ。」とお金をかける時には思いきって使う心意気を聞かせて頂き、


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「本間にねぇ、、蔵の裏の小学校の体育館で仕込みたいですわ。あそこやったら導線も作りやすいし、天井も高いでしょ。しかもだいぶ節約できますよ笑。」と結局は増田さんの節約魂を感じる大胆な野望も教えて頂きました。でもそれは本間に実現してほしいなぁ笑。



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蔵のご案内をして頂いた最後に現れたダンボールのお家。『あれは何ですか?!』と尋ねると「甥っ子が作ったんですわ。」とホッペを赤らめて照れ臭そうに答えてはりました笑。僕も甥っ子が好きやから、甥っ子が作ったもんを見てるだけで気持ちが穏やかにポーっとなるのが分かります笑。






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見学の最後には「あそこ、うちの蔵の近くにホームセンターが2件あるでしょ?仕込みが終わったらポイントが凄い貯まってるんですわ」と最後の最後まで笑かしてもらい、終始ユーモア溢れる見学をさせて頂きました。



酒造りは人がするもの。最低限の環境を整え、最大限の愛情と行動力を持って醸される酒造りには、たくさんお金をかけた設備投資では醸し出せない愛着のある親しみやすい酒を作り出す事が出来るのかもと思えた蔵見学でした。



寒紅梅酒造・増田専務、お忙しい中本当にありがとうございました!(o^^o)!

専務の節約DIY本の発売を熱望しております。(ホームセンターのポイントカード型しおり付き希望)






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