低気圧ガール
Amebaでブログを始めよう!

空模様

その日、東京は鉛色の空に包まれた。 一人、また一人と、同年代の女性が結婚していく。 なんとも形容し難い気持ちになる。そう、まるで今日の空に似た。 負けた訳ではない。間違えた訳でもでもない。 唯、「結婚するんです」と、嬉しそうな笑顔で言った彼女のように 自分にも同じ日が来るのか、或いはそうでないのか、とても不安になったのだ。 不安にしている自分を、鉛色の空の下で認識したのだ。 結婚する年齢なんて関係ない、と言うものの、「結婚」という言ノ葉には敏感な年齢。 意識しているつもりなど無い筈。だのにどうしても耳年増になる。 彼女の笑顔はとても美しかった。いつになく満たされていた。 「そうなんだー!」と言う一方で、唇を噛んでいる裏の自分が醜かった。 既婚の彼女の生活ぶり、「旦那がね~」という台詞、薬指に光る輪に 吐き気を催しつつ、自分はそんな安売りはしないと、心に堅く誓う。 結婚したら何か変わるの? 結婚しないと何も変わらないの? 結婚しないと何も変えられないの? 低気圧の日は良い。文字が滑り出し、言葉が走る。

外の気配

煙草をそっとふかしながら星を見た。
すぐそこまで春は来ているのにまだこんなに冷たい空気が煙とともに肺に入る

あの星はいつも同じ所で輝いているのだろうか
あの星のその先には何がみえるのか

一服すると何故か昔の頃を思い出した

小さい頃飼っていた犬
ずっと一緒にいたのに
ずっと一緒にいられると思っていたのに

ずっと解りあえなかった事
今でもなお解りあえない
これからも解りあえる事はない

いつも泣いていた
苦しくて悲しくて淋しくて辛くて痛くて
誰もタスケテクレナイから奥歯をいつも噛みしめて我慢した
いろんなところから血、流れた

空の終わりはどこか
風はどこにいくか
太陽は何故のぼるか
月は何故夜咲くのか

小さな四角い窓に足を投げ出して
日が暮れるまで同じ事思った

残酷な日々が今のわたしを司る

 傍ではパトカーの音がするけれど
 あの星にこの音が届く頃にはもうあの星はいないんだ
 こんなにも煙草がまずく感じたのは春の匂いを含んだ意地悪な冷たい空気のせいだ