父はまるで5歳児。
何か私のことで気に喰わないと
母の元へ駆けて行き、
「今あれ(私の事)がこう言った。ひどいだろ!?」
「あれは病気だから何とかしてくれ!」
70歳にもなって
母に聞いてもらいたい子どもみたい。
私が父を見ただけで
私に
「馬鹿にしてるのか!?」
母に
「あれが俺をにらんだ」
「あれがいると腹くそ悪い」
今日はゴミ出しの日だったので、
昨日の夜家中の燃えるゴミを袋に入れ、
台所のマット(父が食べ物をこぼすのですぐに汚れる)
をお風呂の残り湯で洗濯していた。
ゴミ箱に新しいポリ袋をセットする際に
袋の穴が開かないように、
水分を吸収するようにと新聞紙を敷いている。
それも父がゴミ箱に捨てる時にはね散らかすから
できるだけゴミ箱の中の方に捨ててもらうための
目印でもあった。
新聞紙を敷くようになってからは、
あまりゴミが飛び散らなくなった。
父は物を捨てるのすら面倒くさがる人で、
ゴミ箱の上の方から落とすように捨てる。
後は振り返らないので、もしちゃんと入ってなくても
気にも留めない。
よって、ゴミ箱の周りにはきちんと入らなかった
ゴミが必ず落ちている。
もし
「ちゃんとゴミ箱に捨てて下さい」とお願いしたとしよう。
父は
まず「俺の前に現れるな!」「言葉をしゃべるな!」
私の存在を否定する。
私の言葉は聞かない。
でも、もし父が自分の身に覚えがあると、
母への説得が始まる。
「俺くらい気を使って捨てている人はいない」
そして、次回からは言われたことを根に持ち、
居様な行動を取り始めるだろう。
言われた事に対して異常に執着するのだ。
私たちの捨てたものをチェックして、
「お前がこれを捨てたのか?」「なんだ?コノ捨て方は!」
「お前はゴミを捨てるな!ゴミ箱に触るな!」
普通では考え付かない父にとっては考え付く限りの
嫌がらせをするのだ。
だから何も父には言わない方がいいと学習した。
私は居間のテーブルの下の古い新聞を1束取った。
父が古い新聞を切り抜きしているのは知ってはいたが、
少しくらい大丈夫だろうと思った。
何より、切り抜きを終えた新聞はカッターでビリビリになっていて
ゴミ袋に敷くのには使えないので。
でも、ミスった。
私が後で使おうと下駄箱の上にポンと置いてしまったものを
父に見られてしまったのだ。
当初は見過ごしたフリをしたようだったが、
父がいると仕事にならないので、
集中してやらなければならない仕事は夜している。
そこへ数時間テレビを見ていてそろそろ飽きて
新聞の切り抜きを始めようと思ったらしい父が
2階から下りてきた。
無言で私の仕事道具やかばんを置いている部屋に足音を立てずに行った。
父は何か目的がある時は
足音を立てない。
逆にわざと足音を立てる時もあり、
それは仕事で疲れたという時だ。
足も思うように動かないくらい疲れていると体で表現する。
それからドドドと足音を立てて
私のところへ来た。
「これお前が持って行っただろ!?」
「俺にとって一番大事な選挙の記事のある新聞なんだよ!」
「嫌がらせだな!このやろう!」
「この泥棒!」
まさか泥棒と言われるとは思わなかった。
私がすごい悲しそうな顔をしたのは父は見過ごさなかった。
「泥棒!」「泥棒!」「泥棒!」
何度も大声で近所にも聞こえるように叫んだ。
怒っているというより嬉しそうだ。
母の寝ている部屋に行って
「あいつが俺の大事な新聞を盗んだぞ!」
とまた告げ口した。
新聞がなくなったことより、
私の尻尾をつかんだことがこの人には嬉しいんだ。
「人を泥棒呼ばわりして楽しいの?」と思わず私は言った。
「楽しいわけないだろう」
「お前が悪いと証明してるんだから当たり前だ」
私が悪かった。
でも父が怒れば
父が一番言われたくないことがよく分かる。
一番言われたくないことを言うのが父だから。
モラハラ加害者は
自分の心にあることを相手に投影して相手を罵倒する。
自分の心にあるやましさを相手に投影する。
だから父が泥棒と口に出せば
父が泥棒ということになる。
掃除もゴミ捨ても洗濯も全て私と母にやらせて、
仕事になるとイライラ。
それなのに、
夜になると人が変わったかのように
テレビと新聞。
姿勢を正し、真剣な眼差しで、片手にはテレビのリモコン、
居間のテーブルを全部占領しての切り抜き作業。
たくさん仕事がたまっているのに、
たまった新聞を切り抜くことが最優先。
本来するべきものをしないでテレビと新聞に逃げている。
本来すべきでないことをしているから、
時間泥棒。