中学2年生の娘。

歌が好き。絵を描くのが好き。科学の話も好き。

そして、英語はちょっぴり苦手。

そんな娘を見ながら、私は密かに思っている。

「いつか有名国立大学に行けたらいいな」

もちろん、娘はそんなこと一言も言っていない。

言っていないどころか、

「将来?まだ決めてない」

と言っている。

そりゃそうだ。

中学2年生である。

それなのに私は、大学のホームページを見たり、オープンキャンパス情報を調べたり、就職先まで検索したりしている。

娘より確実に私のほうが受験モードだ。

先日も娘に聞いた。

「今、一番好きなことは何?」

「歌かな」

なるほど。

数日後に聞いた。

「将来やってみたいことある?」

「科学のことをもっと知りたい」

なるほど。

さらに別の日。

「絵を描くのも好きなんだよね」

なるほど。

母の頭の中では、そのたびに進路図が書き換えられる。

音楽系か。

いや理系か。

デザイン系もありか。

心理学も向いてそうだな。

娘が一つ答えるたびに、母の脳内会議は大忙しである。

一方の娘はというと、

友達と笑い、部活をして、好きな歌を歌い、

とても平和に暮らしている。

最近ようやく気づいた。

私が本当に願っているのは、有名大学の合格通知ではない。

好きなことを見つけること。

失敗しても挑戦すること。

自分で考えて、自分で選ぶこと。

たぶん、それが一番大切なのだと思う。

……とはいえ。

気がつけば今日も進路サイトを開いている私がいる。

有名国立大への道。

ただし今のところ歩いているのは母だけである。