蛸と住むひとは霜夜の蛸の色 一郎
不夜城に幸せならば蛸叩く
ユーモラスな姿に反して
蛸は高い知能を持っていることに拠るのか、
春画などに書かれた蛸に妙なリアリティーが感じる
蛸と同じ色と化して過ごす霜夜
対象がグロテスクゆえ、良いのか・・・
幸せだから壁を叩くでもいいものを「蛸叩く」
共感出来ない、永遠に理解出来ないことだけど、
謎の解けない無意味さに心が騒ぐけれど、
人の感性に素直に添うてみることも快い
千代ちやんの舌吸ふ秋の蛸断片
と微笑ましい光景に一息ついていると
わが舌は長夜の獄を舐め熔かす
舌は空間を自在に行き来して
一時もじっとしてないようだ
まだまだつづく・・・蓼