大虚子の忌の荒草機械刈      鶴岡行馬

 

田辺聖子著『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』

での久女の印象は、同人を除名されても尚投句し、
虚子からの冷たい仕打ちに屈することなく、

何かに憑りつかれたように虚子に執着した

場の空気が読めないことで疎まれることもしばしば

疎まれていることに気づきもしない一途さ

そして次第に精神が病んだ

(私の記憶の断片)

虚子の「初空や大悪人虚子の頭上に」と自らを詠んだ

機械で一網打尽に刈れた荒草がどこか久女のようで傷ましく思うけれど、

虚子と「荒草機械刈」が響き合うと

直感した行馬さんの感性は素晴らしいガーン