愛されず愛さず落葉焚きにけり 荒木かず枝
愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子
をすぐに思うけれど
人を愛することが出来ない「愛せず」ではない
かず枝さんの「愛さず」のなんときっぱりしていることか
愛さなければ、愛されることもないのだから
瞳の奥まで見つめ合っていたい、
頬に、手に、腕に触れたいと狂おしいほど思う
何度恋してもそうなる愚かな繰り返し
理性的であれと思うけれど、理性に邪魔されたくもない
人を愛することは実はそう簡単なことではない
かず枝さんはわが身を何に重ねたのだろうか
静かに燃える落葉だろうか
それとも盛んに燃える炎だろうか蓼