この数年、「ここは小児科でしたか?」と思うほど、子どもや学生さんの患者が増えています。小学生、中学生、高校生、そして大学生まで。
成長期の体を抱えた若い世代と向き合う機会が、明らかに多くなりました。
毎年恒例の箱根駅伝。高校野球もそうですが、学生スポーツの純粋さには、つい応援にも力が入ります。
ただ、少し恥ずかしい話ですが、毎年必ず数名は来院していた「箱根を目指す駅伝部の学生くん」たちが、この数年、ぱたりと少なくなりました。
おそらく、スポーツ科学の飛躍的な進歩のおかげで、どの大学も最新のトレーニングやコンディション管理を徹底しているのでしょう。
それ自体は、とても良いことです。
……とはいえ、私の出番が減ったような気がして、勝手に少し傷心中でもあります(笑)。
一方で、「怪我をする選手が減っていない」という話も、相変わらず耳に入ってきます。
これは小・中・高校生も同じです。
私は初診の際、できるだけお母さんと一緒に来ていただくことを勧めています。(なぜお父さんではないのかは、また別の機会に)
本人の訴えだけでなく、日常生活を知りたいからです。
たとえば、
「痛くて体育の授業は見学している」
でも、
「家では兄弟と走り回っている」
こうしたズレは、決して珍しいことではありません。
医師の診察スキルの講義で、よく喫煙外来の話が出てきます。
タバコの害を知らない人はいません。理由も理屈も、誰もが分かっています。
それでも、タバコは簡単にはやめられない。
つまり、改善に本当に重要なことは、知識や理屈ではないということです。
私は前職の経験を経て、プロスポーツチームや団体ではなく、
「一人ひとりと向き合う仕事がしたい」
そう考えて、今の道を選びました。
プロかアマか。
選手か一般か。
大人か学生か。
そこに線を引くことなく、丁寧に、コツコツと、目の前の一人と向き合う。
治療とケアに携わって40年。開院して30年目を迎える今年、あらためてその想いを心に誓っています
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