過去幾度となく同じ事を書いているが、冬のこの時期やって来るスポーツ愛好家の患者で、適切にウォーミングアップ・クールダウンが出来ている人は皆無である。
まずイメージしてみてほしい。 針金を一本手渡され、ペンチが無いから手で二つに切ってくれと言われた場合、アナタはその針金を手でどうするであろうか?!
左右に引っ張って二つにちぎろうとなどする人はいないだろう。 何処か一か所にめどをつけ、同じところを何度も折り曲げて切ろうとするのではないだろうか。
そう、モノの結束を弱めるには同じところに何度も反復した力を加えるのである。 それを柔軟体操で表わしたら、ラジオ体操のような“ダイナミックストレッチ”であり、我々が通常ストレッチと呼ぶ“スタティックストレッチ”は、言わば針金を左右にちぎろうとしているのと同じである。 ストレッチングは数ある準備体操の一つであり、血を流して筋肉を温めるウォームアップとイコールでは決してないのだ。
話は肩こりに戻るが、疲労物質が溜まった肩こりであれば、グルグル動かして血を流して疲労除去であり、動かさな過ぎて動かそうとするとピキピキパキパキするのであれば、一般的なストレッチで伸び縮みの神経伝達命令を促してスッキリスムーズでOKである。
怪我痛み、スポーツケアであれ肩こりであれ、適切な処置さえ間違わなければ出来る事はいくらでもある。 大抵の場合、間違えた考え・自己流が症状を長引かせ悪化させる。
押す揉むは誰にでも出来る。 そこのところの正しい診立てにこそ、重きを置き対価を払って頂きたい。