昨日、産土神社に参拝し、さらにお墓参りを済ませた僕は、ようやく昨日、東京へと戻ってきました。

 

 そしてニシーネ スペースに着くなり、早速、自然派四柱推命初級講座の印刷と発送作業を始めました。

 大みそかまでに、ある程度まで作業を終わらせていたこともあって、追加で申し込んでくださった方の分も含め、今日中に全て発送が終わる見込みです。

 

 おそらく1月6日のOnline講座当日までには、かろうじて間に合うはずです。

 今回も、テキストと資料の到着が講座開始ギリギリになってしまい、本当に申し訳ありません。

 

 昨日、東京へと向かう新幹線で、デッキだけでなく客席の通路にまで乗客があふれているという、普段では考えられない光景を見て、今年という年の幕開けのことを考えていました。

 

 日本では、元旦に能登での大地震があり、翌日の2日には、成田空港で被災地に物資を送り届けようとていた海上保安庁の航空機と大型旅客機が追突し炎上するという事故がありました。

 

 この新幹線の大混雑も、間違いなくこの事故の余波ですし、他の場所にもこういった余波はたくさん出てきているでしょう。

 

 イギリスのBBC放送では、一連のこの事故について報道するとともに「日本は非常に恐ろしい2024年の始まりとなった」とコメントしています。

 

 安岡正篤先生の字義を元にした見方(初級講座の2日目の講座でもやります)で見れば、辰年の「辰」は振動や地震につながってきます。

 

 もちろん、四柱推命上の辰年というのは本来、二十四節気の立春である2月4日以降のことを指しますし、世界全体が辰年であるにもかかわらず、これだけ大きなアクシデントが年初に起こっているのは日本だけです。

(ただし、世界全体を見渡したら、戦争や災害や国の社会情勢で命を失っている人は、日々後を絶ちません)

 

 正直、災害や事故の影響で多くの人命が失われて、被害に遭われている方が大変な思いをされている時に、事故や災害をこのような占術的な解釈に当てはめようとすること自体、かなり不謹慎なことではあります。

 

 とはいえ我々は、災害がいち早く終息するようにできる限りのことをすると共に(とは言っても、仕事を持っている一般の我々には、さしあたって募金ぐらいしかできませんが……)発展的な未来に向けて、こういったことを考察すること自体は有効でしょう。

 

 世界のほとんどの国でグレゴリオ暦が使われている現在、特に東洋圏においては、二十四節気に連動する干支の象意も前倒しになっている傾向は、やはり見受けられるようです。

 

 一般的に「辰年」で通っていますが、正確には今年の干支は「甲辰」であり、辰の前に十干の「甲」がくっついていて、どちらかというとこちらが主役です。

 

 安岡先生の字義の解釈によれば、甲とは、種子の堅い殻を生命力の芽が打ち破っていくという十干で、革新のエネルギーを宿しています。

 

 辰の振動で様々なことが揺れ動く中であっても、甲の象意により、堅い殻を打ち破って伸びていかなければいけない時期であり、その為には「筋道を通していくこと」が大切になってくる……

 

 「干支の活学」という本に載せられている、今から60年前の甲辰の年の講義の時、安岡先生は甲辰の年に起きた出来事として「日露戦争(1904年)」と「弘化元年の江戸幕府の紛糾(1844年)」を例にあげています。

 

 ちなみに安岡先生が講義をしたこの年(1964年)に日本で起こった出来事としては、東海道新幹線の開通や、海外観光渡航自由化、町田市の米軍機墜落事故などがあります。

 

 この年になる前までの海外旅行は、旅券を購入できる客層はごく一部に限られ、恐ろしいほどに高額だったのです。そして、今では当たり前のように使っている、僕がたまたま乗車した東海道新幹線も、60年前の甲辰にようやく開通したのですね。

 

 あと、この年には、町田市の繁華街の中心地に米軍機が墜落して、民家7戸が全焼、7戸が半壊という大事故を引き起こしているのですが、夕方に繁華街のド真ん中に飛行機が墜落した割には、人命などの被害は最小限に食い止められています。

 

 今年の元旦から起こった地震災害と航空機事故によって、お亡くなりになった方やご遺族の方、被災された方の苦しみは筆舌に尽くしがたいものであることは確かですが、事故に対応した方々の尽力で、被害としては最小限に食い止められているのも、また確かです。

 

 アメリカのニューヨークタイムズでは、炎上する旅客機から乗客・乗員の全員が脱出したことに対し「これは奇跡である」とコメントしていますし、BBCニュースでは、日本の航空会社の事故への対応を評価するとともに「乗務員の訓練にどれだけの労力が費やされたのかが想像できる」という専門家のコメントが載せられています。

 

 元旦の地震の時には、揺れる前にけたたましいほどの携帯電話の警報が鳴って、危機を知らせてくれましたし、東日本大震災の時の教訓を元にNHKの女性アナウンサーは「テレビを見ていないで高い場所へ避難してください」と必死のアナウンスをしてくれました。

 一昔前の時代ではできなかった、不慮の災害に際しての非常に優れた人の対応だと思います。

 

 これから始まる2024年という年は、もしかすると激動の年回りになるかも知れません。

 しかしながら、我々が一丸となって、安岡先生がおっしゃられるように「物事の筋をきちんと通していく」ことにより、様々な障害を乗り越えて、大きな実りをもたらす一年となるはずです。

 

 占術的にも、今年の「甲辰」は、運干と世干の「乙」から見ても、決して配合が悪くない干支です。

 

 こういった事故や不測の事態は、個人ではどうすることもできないように捉えられがちですが、実際にこの世界は我々一人一人の思考の総意によって生み出されていますから、この干支の象意は社会全体の課題であると同時に、我々一人一人にとっての課題でもあったりします。

(もちろん四柱推命では、個人に関しては、その人の生年月日時から算出する命式を最優先に考えていきます)

 

 今の自分ができることに精一杯取り組みながら、我々にとって2024年という年が素晴らしい年になるように、僕も微力ながら、この世界を構成している一人の人間として、祈り続けようと思います。