昨日の夕方、伊勢の地に到着して、今、東横インのホテルで体調不良でダウンしています(笑)

 

 実は名古屋行の高速バスの冷房が効きすぎていて、寒がりの僕にはかなり辛かったのですが、前日からの睡眠不足で、そのまま何も羽織らずに長い時間、眠り込んでしまったのです。

 

 長距離バスを降りると、体中の関節が痛いというか、熱っぽいというか…… 明らかに体が変調をきたしていました。

 

 とはいえ体調は最悪ですが、電車の乗り継ぎに関しては、最高にタイミングが良くて、元々の予定では伊勢に夕方5時頃に到着して、この日は元々、明日の朝から始まる伊勢めぐりの前泊だけのつもりでした。

 

 

 

賢島かしこじま行き」の特急列車が、僕が近鉄名古屋の駅に着くと同時にやってきました。

 この特急列車に乗れば、夕方3時台には伊勢についてしまいます!!

 

 ただ、体調があまりにも悪くて、とにかく東横インのホテルに着いて、一刻も早く横になりたいのです(^^;;

 

 もう、年なのですかね……

 

 伊勢で落ち合うことになっている、月美結貴さんに、電車の中で携帯をいじって、連絡を入れておきました。

 

 

 

 そして、近鉄の特急列車は、あっという間に伊勢に到着……

 

 伊勢についてみると、外は雨が降っていました。

 

 考えてみれば、九州旅行の時の風邪が、ぶり返している兆候はあったのですが、まさかこんな時に体調不良になるとは……

 

 東横イン伊勢市駅前のホテルというのは、全然、駅前にはなくて、駅からホテルの送迎車が出ているような場所ですが、さすがにこの時間に送迎車はありません。

 

 というより、近鉄線からJR線の出口へ渡るために、スーツケースを担いで長い階段を上り下りする体力もなかったので、近鉄線の駅の外に待っているタクシー乗り場から、タクシーに乗って東横ホテルに行くことにしました。

 

 普段なら、例えこういう時でも、僕はタクシーなんて使わないのですが、背に腹は変えられません。

 

 そして、近鉄の伊勢市駅の外に出てみると、その時、急に、横なぐりの雨が降ってきました!!

 

 あっという間に、そこに泊まっていたタクシーは満車になってしまい、体調が悪い状態で、伊勢市駅に取り残されてしまいました。

 

 ここから東横インまで歩くには、あまりに体調が悪いし、折り畳み傘は常時持ってはいますが、スーツケースを抱えながらでは、雨に濡れてビショビショです。

 

 芳しくない体調のまま、何かが違う…… これは普段の僕らしくない…… などとずっと考えていました。

 

 こういう時、昔の僕なら「なんてツイてないんだ」と運命を呪うこともあったと思うのですが、今の僕はそういうことは全くありません。

 

 何か僕の思考が間違っているのが原因だろうし、天はきっと、僕にすぐに東横ホテルで休んでほしくないんじゃないのかな…… と考えていました。

 

 体調は悪いけれど、伊勢市駅に15:33に到着しているのですから、これから一つぐらい伊勢神宮の宮は参拝できるんですね。

 

 この場所から、一番近い宮は外宮げくうか月夜見宮…… 普通に考えたら、まずは外宮に参拝するのがセオリーですけど、何となく違う気がします。

 

 どちらにしろ、タクシーはないし、歩いていくには、東横イン伊勢市駅前と同じぐらいの距離があります。

 

 それに体調が悪いのもありますけれど、何となく気分が乗らないのですね。

 

 その時、ふと「そうだ…… 今回の伊勢の旅は斎宮がテーマなのだから、倭姫宮やまとひめぐうに、真っ先にご挨拶をするべきだ」という気持ちになりました。

 

 とはいえ、倭姫宮は伊勢市駅から、うんと離れていて、とても歩いていけるような場所ではありません。

 

 でも、この選択がもしも正しいのなら、きっと事がすんなり運ぶはずだ…… と思い、倭姫宮の停留所である神宮徴古館前じんぐうちょうこかんまえのバスが、いつ発車するかを、駅前の観光案内所で聞いてみることにしました。

 

 すると、あと10分後に発車との話……

 

 伊勢市駅まで戻って来るバスはちゃんとあるのか…… という話ですけど、そんなことお考えている暇はありません。

 

 僕は駅の貸ロッカーにスーツケースを入れて、急いで支度をしました。

 

 

 

 雨の中、倭姫宮に行く人はあまりいないので、バスの中はガラガラでした。

 

 バスの中で、満身創痍というのは、こういう状態を表現するんかもしれない…… などと思いました。

 

 外は相変わらず雨が降っていましたが、倭姫宮に到着しました。

 

 

 

 バスを降りるなり、倭姫宮に入っていきました。

 

 ちなみに、倭姫宮と言うのは、歴史的には内宮とか外宮などとは比べ物にならないほどに新しい宮なのです。

 

 建立は大正時代ですから……

 

 でも、何となくまるで呼ばれているような感覚でたどり着きました。

 

 境内に入ると、暖かい神様の気に包まれたような感覚になりました。

 

 体調が最悪だからこそ、気に対して敏感になれる部分もあります。

 

 

 

 お手水で、手と口を清めます。

 

 景行天皇の皇子で、類いまれなる武勇の持ち主だった日本武尊やまとたけるのみことはその武勇ゆえに父から恐れられ、うとましがられていました。

 

「父上は私のことを、もう死んでしまえと思っていらっしゃるのでしょうか。西方の賊を討ちに遣わして、どれほどの時間もたたないのに、軍勢も賜らず、今度は東方の賊を平定しに遣わされるのでしょう」

 

 倭姫命は草薙剣くさなぎのつるぎを与え、火打石の入った袋も与え「もし急なことがあったら、この袋の口をお開けなさい」とおっしゃいました。

 

 日本武尊はこの火打石のお陰で、難を逃れて東方の戦さに勝つのですが、この倭姫には未来を見通すシャーマン的要素があったに違いありません。

 

 

 

 倭姫宮の本殿に到着……

 

 ここに来られたことの感謝の気持ちを唱えていると、微妙に体調が良くなっていました。

 

 日本武尊は、油断して草薙剣を手放してしまったことで、岐阜の伊吹山のイノシシの神に敗れて、命を失ってしまいます。

 

 父から疎まれ、孤立無縁で戦場に赴く日本武尊の気持ちが、今なら何となく悪かるなあ…… と思いました。

 

 

 

 体調が悪くて、吐きそうな気持なので、藁にもすがる気持ちで、倭姫宮のお守りをたまわりました。

 

 宮を出て、雨の中バスの到着まで30分も待たされたらどうしよう……などと余計なことを考えましたが、ありがたくもバス停に到着すると、すぐに伊勢市域のバスがやってきました。

 

 

 

 倭姫宮のお守りのお陰か、雨も止んで、パワーが少し湧いてきたので、伊勢市駅の貸ロッカーのでスーツケースを出して、そのまま東横インに歩きました。

 

 連泊でホテルが撮ってあるので、チェックアウトを気にすることなく、ゆっくりとホテルで休めます。

 

 

 

 月見さんのアドバイスに従って、東横ホテルで体温計を借りて熱を測ろうとしたのですが、あいにくコロナ対策用の体温計しかなくて、それによると「36.1度」……

 

 普段の僕の平熱より低いです(^^)

 

 そのまま、夕食を買いに行く元気もなくて、夜中まで倒れていました。

 

 寒くて体が震えるので、熱い風呂に入って体を温めてやろうと湯につかったら、思いっきりトイレで吐いてしまったのですが、それ以降、体調は回復に向かっています。

 

 無理のない範囲で、伊勢の斎宮の旅を満喫したいと思います。