若い頃ならある程度、徹夜をしても勢いだけで乗り切れていたのですが、ここ最近は、さすがに寝不足が体調に影響してきます。
この後、5件の鑑定の予約が入っているのですが、このように自分のオフィスでお客様を鑑定させていただけることを、本当にありがたく思います。
僕が始めて、鑑定料をいただいて鑑定をしたのは、今から17年前の2006年のことです。
今日のブログは、僕が初めて鑑定した時のことをつづった、10年前にパリブログに載せた記事を、一つリメイクしますね。
僕が占い師として、初めて直接鑑定をしたのは、ちょうど今から7年前(2013年の時点から)です。
四柱推命やタロットに興味を持ったのは、14歳の時からなんですけど、その時までは、きちんと鑑定料をいただいて鑑定をしたことはありませんでした。
その時までは、占いは趣味として楽しんでいるだけでした。
確かに当時から、マニアックな占術知識は持ってましたけど……
だからその時は、占い師としての職業を成立させる為にどうしても、ちゃんと鑑定料をいただいて、お客様の顔を見ながら鑑定をしたかったのです。
その為に手っ取り早く、路上で鑑定することにしました。
占いのひと通りの道具をそろえ、小さい机とイスを買って、せっかくだから、人がものすごく多い池袋駅の東口の人だかりの中に机を出そうと決めました。
それを、占い師として大成する為の突破口にしようと思ったんです。
とはいえ、そう決めたのはいいのですが、内心はおだやかではありません。
ちゃんとお客様を鑑定できるか不安で不安で仕方がなかったですし、あんな所に机出して、警察に捕まっちゃうんじゃないかとか、怖いヤクザのお兄さんが因縁をつけて来るんじゃないかとか……
そこで、背水の陣をはって、もう自分が逃げられないようにしておこうと、ヨドバシカメラでホームページ作成ソフトを買ってきて、形ばかりでしたが、取りあえず占い師としてのホームページを作りました。
今の僕のホームページは、7年前のその時から始まりました。
そして、そのホームページのトップに、
「2006年5月20日(土)13:00~20:00、池袋東口を出たパルコの前の通りで、浅野太志路上鑑定開始!!(雨天中止)」
と、でっかく表示させておきました。
そして、そのホームページアドレスを印刷した名刺を、友達とか知り合いに配りまくりました。
これでもう逃げられません。
でも、その日が近づくにつれて、だんだん不安になってくるんですね。
当日、雨になることを願っている自分がいました。
「雨天中止」だからです(笑)
正直なことを言うと、あの時の僕は「池袋の路上で机を出して頑張った……」という既成事実が欲しかっただけなのです。
まあ、雨が降ったなら「机を出すつもりだったけど、雨でダメでした」という最低限の言い訳ができますから……
当日の20日当日の天気予報は、降水確率50%……
その当日、親友のS君がワゴン車を出してくれて、机とイスを運んでくれました。
池袋の路上の人だかりの中で、人の目を気にしながら、机とイスを出して、僕はどっかりとイスに座りました。
いや~ 居心地悪かったです。
しばらく座っていると、僕の応援をしに、別の友人がペットボトルのお茶を持ってきてくれました。
相変わらず、お客様は来ません。
いや、お客様はむしろ来なくていいと思っていました。
それよりも、雨でも降りだして、この居心地の悪い場所から撤収する言い訳ができることを願っていました。
ホームページの公約ですと、20:00までは一応その場所にいなければいけません。
しばらくした時、さっきまでその辺りで携帯電話でずっと誰かと話していた男性が、暇つぶしに僕の10分1,000円の手相鑑定を受けてくださることになったのです。
もう、心臓が飛び出すくらいに緊張しました。
初対面の人の鑑定なんて、生まれて初めての体験でしたから……
そのお客様は27才で、最初は占いに半信半疑という感じでした。
でも、ちょうど生命線の27才の所に、ものすごく分かりやすい開運線が出ていたので、
「今年何か大きく自己実現されたんじゃないですか?」
と聞いてみたのです。
そうすると、そのお客様は、今年コンピューターの関係の会社を立ち上げて独立したと、おっしゃいました。
あと、目が悪いという印も出ていたのでそれも伝えると、こちらも大当たりでした。
その男性のお客様、かなり驚いていましたね。
でも、本当は僕の方が驚いていたのです(笑)
四柱推命やタロットはまだしも、手相に関してはまるで自信がなかったものですから……
真剣な気持ちが天に通じたのかも知れません。
そのお客様が帰ると、突然大粒の雨が降り出して、僕はS君と急いで机とイスを撤収しました。
手伝ってくれたS君にラーメンをおごって、一緒に食べながら、ふと思いました。
この手ごたえなら占い師としての道で、やっていけるかも知れない……
この後3ヵ月ぐらいずっと週1回のペースで、池袋の路上に机を出して鑑定をし続けました。
もしもあの時、一人もお客様を鑑定することなく、雨が降り出していたなら、きっと僕は池袋の路上で机を出したということだけに満足して、二度と路上に出ることもなかったと思います。
そう考えると、あの男性のお客様は、僕に自信をつけさせるために神様が連れて来てくれたのかも知れません。
思えば僕の鑑定師人生は、勇気を奮い起して、震えながら鑑定したあの日から始まりました。
震えていたって大丈夫……
何が何でもやると決めて、前に進んだ時、ずっと夢見ていた運命の扉は開かれるはずです。
(2013/4/27パリブログ「あの日から始まった……」をリメイク)