吹きぬける風が冷たくなって、少しずつ冬が近づいてくるのを感じます。

 季節の変わり目、体調を崩しやすい時ですので、皆さまどうかお体を気遣ってお過ごしください。

 

 四年前の今頃は、書の展覧会の準備にいそしんでいたのを思い出します。

 

 書の大家であった野尻泰煌先生からは、書や芸術に対する考え方、そして、それを通しての人生に対する向き合い方のようなものを、たくさん学ばせていただきました。

 

 野尻先生がお亡くなりになってから、もう4年が過ぎようとしているのですね。

 月日が過ぎていくのは、本当に早いものです。

 

 そして今年も、野尻先生の遺志を受け継いだ泰永会のメンバーによる、年に一度の「泰永書展」が開催されます。

 

 

 

 会場は、池袋にある「東京芸術劇場」のアトリエイーストです。

 

 泰永会の相模泰生代表は、書家としての活躍にとどまらず、姓名判断(泰煌式生命法)を始めとする鑑定師としても活躍をされています。

 

 

 「受福無疆」(受ける福に限りが無い)

 

 本当に、見事な隷書ですね。

 

 余談ですが、僕の岐阜の家のすぐ近所にある「長良川蔵元」というお酒の蔵元で作っている、大吟醸の名前がこの「受福無疆」だったりするんです……

 

 なんか、この言葉になじみ深さを感じます。

 

 

「安心立命」(天命を知って心を安らかにし、物事に動じない)

 

 易の大家である安岡正篤先生は、好んでこの「安心立命」という言葉を使いましたが、この言葉を書の作品に選んだ相模泰生代表のセンスの良さには脱帽です。

 

 実は、相模泰生代表も、僕の四柱推命講座の受講生だったりするんです。

 

 相模代表とは、野尻泰煌先生の元でよく一緒に過ごしましたね。

 

 ちなみに僕(浅野太志)が、野尻先生からつけていただいた書の雅号は「豊峰蓬莱(とよみねほうらい)」です。

 蓬莱とは仙人が住まう霊山のことですが、日本においては、富士山のことを言うのだと、生前、野尻先生が教えてくださいました。

 

 今年の7月、富士山の3776mの頂上まで登ったのですが、登山の途中で何度も、野尻先生とのあの時の会話を思い出しました。

 

 もちろん、僕は今でも、泰永会のサポートメンバーです。

 

 「南山雲北山雨」(南山に雲起こり、北山に雨がふる)

 

こちらは、泰永会の副代表も務めている高天麗舟先生の書……

 

昨日のブログでも書きましたが、高天麗舟先生には「四柱推命の占い方」の本の題字を書いていただきました。

 

禅語がかもしだす風情のようなものが、この素敵な草書から伝わってきます。

 

 「飛龍在天」(龍がその居場所を得て、天にある)

 

 まるで、文字が生きているかような書ですね。

「飛龍在天」とは、易経の「乾為天」の九五(五爻)に出てくる言葉で「天子の象徴である龍が、本来居るべき場所にちゃんと居る」という意味の、とても縁起の良い言葉です。

 

 今にも、文字が龍のように動き出しそうな、ものすごい迫力の書です。

 

 実は、高天麗舟先生から、この貴重な書を、ニシーネスペースの開店祝いとしていただけることになりました。

 本当にありがたいです(^^)

 

 泰永書展には、他にもたくさんの野尻泰煌先生の遺志を受け継いだ書家たちの作品が展示されています。

 

 今日から11月24日までの計4日間、池袋にある「東京芸術劇場」のアトリエイーストにて、入場無料にて参加できますので、皆さまぜひ、お越しになってみてください。