色というものは不思議なもので、誰しもが、赤色からは情熱的なイメージを連想しますし、青色からは冷静でクールなイメージを連想します。
赤色を見て、冷静でクールな感じのイメージを連想する人は、あんまりいないと思います(笑)
この色の感じ方は、世界中のどこに住んでいる人でも、おそらく全く同じです。
どうして色には、万人共通の特定のイメージが結びついているのだろうと、考えさせられてしまいます。
今日は、そもそも「色の違い」とは何なのか…… ということを、以前のパリブログの記事をリメイクしながら、ご紹介したいと思います。
人間は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)というものを持っているからこそ、この世界のあらゆる情報を取り入れることができます。
逆のいい方をすれば、我々は五感というものの情報に、常に縛られてしまっているとも言えます。
この中で、知識や情報をキャッチするということに関して言えば、特に視覚の情報に頼る所がかなり大きいでしょう。
だいたい視覚がなかったら、このAmebaブログを読むことさえできません。
その視覚の情報というのは、どこからやってくるかというと、電磁波の波長によって認識される色という信号を通してやってきます。
昨日のブログにも書いたように、電磁波の中でも380nm~780nmの波長を持つものが、可視光線となり、色として識別されることになります。
そして、波長の長さによって感じる色が決まってきます。波長が短い順に、おおよそ次の通りです。
380~450nm … 紫
450~495nm … 青
495~570nm … 緑
570~590nm … 黄
590~620nm … 橙
620~780nm … 赤
見てのとおり、虹のスペクトルなんですね。
もちろんこれらの色は連続しているものであって、明確な区切りなどはありません。
ちなみに、この範囲からはみ出た電磁波は、人間の視覚では光として認識することは、もはやできません。
赤外線や紫外線、電波やガンマ線なんかがいくら飛びかかっていても、可視光線が飛びかっていなければ、視覚としてはただの暗闇です。
ちなみに、ガンマ線がそこらに飛び交っていたら、かなり生命体はヤバいです(笑)
色というのは、それだけでメッセージのようなものの気がするんです。
例えば赤だったら、発奮しているイメージとか、力がみなぎっているとか、怒っているとか、活動的だとか……
逆に青なら、クールで冷静なイメージだけど、ちょっと気持ちがトーンダウンしているとか…… 自然とその色のイメージがわいてきます。
緑なんかはもう最高ですね(笑) なんでやねん……
それで驚くべきことに、例え視覚がふさがれていても、人間の肉体は無意識に色に反応したりするんです。
ちょっとトンデモ話みたいですけど、色のついた光を体にあてることにより、その人の肉体や精神に影響を与えることができるんです。
シュタインという学者の実験によれば、筋肉に色のついた光をあてると、必ず一定の値の測定値が得られるということです。
これを、「トーナス変化」と呼びます。何も光を当てていないノーマルな筋肉の状態の値を23とした時、それぞれの色の光をあてると、筋肉の緊張度は毎回必ず次のような測定値になります。
(ノーマル …… 23)
青 … 24
緑 … 28
黄 … 30
オレンジ … 35
赤 … 42
赤は驚異の42です!
めちゃくちゃ発奮していますね(笑)
つまり色というのは、必ずしも視覚にだけに訴える訳ではないのですね。
赤という色は、運動能力を高める働きがあると言われています。
イギリスの調査結果では、スポーツの試合で、実力がほぼ同じ場合、青や白のユニフォームを着ている選手よりも、赤のユニフォームを着ている選手の方が勝率が高くなるというデータが出ています。
また、ある実験では、赤やオレンジなどの暖色系の部屋で過ごすと、実際にそこにいた時間よりも二倍も長く感じられ、青っぽい寒色系の部屋で過ごすと、実際にそこにいた時間の半分ぐらいの長さに感じられるという実験結果も出ています。
赤っぽい部屋と青っぽい部屋で、どちらが熟睡できるかという事を実験した所、その色が視界に入らないような状態にしたのにもかかわらず、被験者は一様に赤っぽい部屋では中々熟睡できず、青っぽい部屋ではしっかりと熟睡ができたといいます。
赤という色は、人間の細胞を刺激して、体感する時間を引き延ばすような作用があるのかも知れません。
視覚が無くても色は識別できる……
この色の分野の研究を進めていくと、何かもっともっと面白いことが発見できるかも知れません。
(2014/1/18パリブログ「視覚が無くても色は識別できる」をリメイク)