ボデイビル大会観戦の醍醐味は、”贔屓”選手の活躍と、予想もしていなかった”新人”との出会い。

僕の現役時代、クラス別を制してもこのオーバーオール選手権を制しなければ、九州チャンピオンとは呼べないほど、このタイトルは輝いていた。

宮崎日南の長友さんや、沖縄の島袋さんなど、小柄で岩のような肉塊が、華麗とは言えないが”かかってこい”とぎゅうぎゅう収縮するポーズを見せてくれると、もう涙が出るほど嬉しかった。

マッスル井上君など、その肉塊の権化みたいに毎年毎年、成長し続けているし、欠点だった背中の広がりなども過去の話。

永ちゃんを華麗に”踊らせる”このタイトルが喉から手が出るくらい欲しい大庭選手とどこまで”いい試合”をするか、僕の”病後の楽しみ”の一つだった。

蓋を開けて見ると、、、、。

井上君は、シルエットは異次元。

太々しい”振る舞い”も彼にピッタリ。

欠点だった背中は、隆起も広がりも全日本クラス。

僧帽筋から三角筋、上腕から胸など、完全な漫画の世界まで発達。

ただ”ゲストポーズ”の仕上がり。

基本中の基本、腹部が甘すぎる。

当然、脚も”ダメ”。

太さを残そうと”アガいた”迷いがここに見える。

次に大庭選手。

クラシックな理想的なシルエット。

キザだが嫌味のないポーズの間、プレアクション。

しかし、小柄ゆえに今回の大柄な選手と混合のオーバーオールのラインナップでは目立ちにくい。

しかも、もともと隆起の乏しい腹直筋と中心の白線がぼやけている。

ほとんどの選手が、体幹中心を立体的に”見せる”基本である深い白線を出して来ている中でこれはツライ。

二人とも、甘い腹部はもちろんだが、今のトレンドから”外れる”パートがある、そう、臀部からハムがボヤけすぎ。

この”本命の”二人が、苦しむ中、”ダークホース”として少しずつ”視野に入って”来たのが次の選手たちだった。

続きます。