厳しいダイエットを続けても、ハードなトレーニングを継続しても、どうしてもパリッと仕上がらない。

何年も前から大会にで続けているのに、いつまで経っても三角筋と腕のラインを深く”描けない”。

前面は凄いのに、バックポーズを取ったらアウト、そんなことは少なくなったが、まだまだ臀部からハムとの境目に緩みが目立つ選手は多い。

結構多い原因は、プライド。

”これで十分だから”。

十分な人生などない。

やり切った”行い”など臨終の時にしか言えないはずだが。

どこかでブレーキをかけ、どこかでこの辺で良い、と”思い込む”。

大切な脂肪、脳そのものが脂肪の塊だから、間脳(官能ではない、、、、)は、これ以上失いたくないと大脳に囁きブレーキをかける。

こんなことしてどうなるの?

言語は言い訳するために発達した。

だから、ここで”豪快に”自らに嘘を着く。

楽しめたからこれで良い、などと。

次に”もっと”最もらしい言い訳の極地は、”女だから”。

脂肪の代謝に、男女差などない。

ホルモンが違うから。

笑ってしまう。

丸みがなくなるから。

脂肪が乗った、脂肪が中途半端に落ちたぷよぷよムフムフより、筋肉で膨らんだほうが美しい。

男性より女性は筋肉量は少ない、これは事実。

確かに、”初期設定”は違う。

男性なら、鍛え抜いてよく反応してきた場所は、ネガティブもポジティブ動作も意識しやすいし、パンプアップの心地よいこと。

”アソコ”と同様、動物は充血が快感なのだ。

大きくなれば大きくなるほど、快感度合いが増える。

だから周りの脂肪も減る。

もっと追い込める。

小さい場所は、それだけ少ないだけ(アソコの大小の話ではない、、、)。

女性の中には類稀なポージング、振る舞いで、その欠点を隠して”しまえる”選手も居るが、確かにそのためにいろいろなジャンルがあっていいのではあるけれど、肩から腕、腹筋、そして臀部からハムのシルエットの基本に丸みと締まりが出せないのは、”バツ”。

丁寧に、強烈に、トレーニングを続け、裏打ちされた知識への好奇心が体を”マッスルビューティ”としていく。

いつまでもラインを描けずぼやけたままなのは、局所太りの典型である。

だから”安易な”近道、ショートカットは、水、電解質を”いじくり”、なんとかロード、なんとかカットなど、カタカナに惑わされる。

我慢比べ大会ではない。

ま、無知な初心者や、フラフラになった自らを騙すのは勝手だけれど。

準備をやり切ったという選手は、確実に進歩する。

なぜなら、やり切った前後の筋肉の反応は、もう飛び上りたくなるくらい良いはずだ。

触っただけで大きくなっちゃう、、、。

え?もちろん骨格筋の話です。

もう、しばらくは、プロテインなんて飲みたくもない、ジムにも行きたくない、そこまで追い込めてこそ、”研ぎ澄まされた”筋肉を披露できる。

たとえそれが数時間の儚い見せ場で有っても。

 

大切な脂肪

テーマ:

脳や脊髄は、脂肪の塊である。

手に取ってみると豆腐より柔らかい。

遺伝子の設計図は、たんぱく質のことしか書いて居ないが、もともと全ての細胞は脂肪が主役である。

細胞同士を”分け隔てる”細胞膜も脂肪でできている。

神経細胞から情報を伝える長い道、神経繊維も多くは脂肪の鞘(有髄)に包まれている。

脂肪を極端に制限し続けると、皮下脂肪の枯渇とともに、大事な体の基本を壊すことにもなる。

精神の”変調”を来すのは当たり前のことになるし、体の中をパトロールして、治してくれる免疫細胞そのものも影響を受ける。

だからこそ、年がら年中、セパレーション”など”出して居てはいけないのである。

一方、その”不自然さ”を求めているところに、極めた人にこそ、偉大さがあるのだが、、、。

体を、このパーツを、しっかり変えていきたいと、強く思うなら、期限を決めながら、脂肪をしっかり摂取する時期が必要となるのはこの理由からだ。

脂肪は便利である。

僕たちの体には、余ったものをすぐに脂肪細胞として取り込む手段が備わっている。

脂肪細胞は、エゴイスト、危機管理が抜群。

成長期はもちろん、老年期になってもどんどん仲間を増やせる。

エゴだが、良いこともたくさんする。

細胞同士の境だけでなく、組織の、臓器同士が当たって傷つかないようなクッションにも、保温にもなる。

関節の周りに、筋肉の腱の周りにまとわり付いて、擦れないように守ってくれる。

だから想定外の重さが筋腹(筋肉の中心部、もっとも収縮力が強い場所)で受けられなくても、関節部に”散らして”くれる。

ウエイトをクッションとして受けてくれる。

マクロのレベルでも、ミクロのレベルでも”テコ作用”として力を受けてくれるのである。

エネルギーの貯金、誰しも、いざという時の蓄えが必要なのである。

この脂肪を”徹底的に”落として、骨格筋だけを一瞬だけ”裸にして披露”しなくちゃいけないボデイビルディングコンテスト。

”いっとき”に賭けるその過程と迷いの魅力もまた面白い。

脂肪細胞は”絶対に”不死身なので、心と体が、たくさん美味しいものを入れてくれるのを心待ちにしている。

リバウンドは”当たり前”なことなのである。

非難するのはおかしいし、非難される”筋合い”もない。

 

 

 

背中で語る

テーマ:

背中は人生を語る。

背中を美しくたくましく創って来たビルダーは、ヒトとしての歴史、トレーニングの積み重ねを”語る”。

首が座り、おすわりができ、立ち上がるまでに、僕たちヒトは一年という時間をかける。

背骨の前側面は意外にシンプル。

後面にはたくさんの短い筋肉が深い場所に、それを長い筋肉が手に手を取って覆う。

この覆う筋肉を総称して脊柱起立筋と言う。

筋トレ愛好家が使う背中は、これに加え、腕を動かすために”後付け”された肩甲骨に付く筋群や、それを覆う僧帽筋や広背筋と言う筋群が発達してくる。

背骨を立たせる起立筋が”表面から”見えるのはこの腕を動かす発生学的に新しい筋肉が”覆えて”居ない場所。

さて、この左の井上、右の田代くんの写真を見て欲しい。

二人がどうやって成長してきたか、そして筋トレをしてきたか、ポージングを練習してきたか、がよくわかる。

井上くんはNPCの”デビュー”当時から知っているが、最初は広背筋が全く”ない”隙間だらけの上半身だった。

高重量を扱うことはよくわかって居たが、ほとんど僧帽筋で”持てて”受けてしまう鍛え方だったのだろう。

太くたくましい惚れ惚れするような首から僧帽筋、大胸筋は彼の一番の武器。

でも後付け、急ごしらえの広背筋はまだまだ発展途上。

広背筋は肩甲骨には付かず(たまに付く人も解剖で発見するが)、骨盤から背骨、そして直接腕を繋ぐ。

骨盤をしっかり固定しながらも動かせる、すなわち、背骨をしっかり立たせることができる右の田代くんの起立筋と広背筋下部に比べて厚みと密度の差がポーズによっては露呈する。

田代くんの広背筋が広い腱となって背骨や骨盤に付く部分が、腱そのものの厚い線維束を深部から起立筋が持ち上げている!のがバックポーズでわかる。

この骨盤や背骨をうまく制御できるなら、もっと臀筋やハムの間の密度も高めることができる。

二人とももっと中背部、肩甲骨が後ろに盛り上がるくらいの迫力が付けば理想的。

有り余る才能を誇る二人。

競い合って頂点を目指して欲しいと思う。

脚の曲線美

美しく力強く見える肉体美は、曲線の集合体。

直線が一つでも、一箇所でもあると、その部分に”隙間”が出てしまう。

脚は骨盤から膝まで外側になだらかな曲線を描きながら膝に達するのが理想的。

脚は地面を蹴る、体幹と上体を支えるのが使命。

そのために腕ほどの自由度は”捨て”、強さと安定を求めた。

骨盤深い場所に股関節を跨ぐ短く太い筋肉群を、表面に、股関節と膝関節という二つの関節を跨ぐ筋群を配置。

股関節が”外れないように”大きな臀筋群を発達させ、スタビライザーとして外側に筋膜張筋、内側に内転筋を配置した。

お母さんのお腹から出て、首が座り(頸椎前彎)、お座りができ(頸椎前彎と胸椎後彎のコラボ)、そして立ち上がり(頸椎前彎から胸椎後彎、そして腰椎前彎という3つの大黒柱のカーブの完成)、歩くようになる。

この過程で、脚に”纏わりつく”諸筋群に”クセが”出てくる。

ここでいつ、どう、筋トレに出会うかというタイミング、それにうまく股関節側かつ、大腿部の外旋がスムースに適応できた場合、筋膜張筋、臀筋がスタビライザーとしてうまく機能し、膝側の四頭外側部だけにあまり負荷をかけないタイプが、美しいラインを描ける。

今回の九州選手権で最もアウトラインが良かったのがこの熊本からきた吉岡くん、仕上がりなどまだ初心者レベルだが、

骨盤上から綺麗な外側へアウトラインを持ち、サイドから見た後方ハムストリングも美しい。

上半身、特に背中の筋群の発達やマッスルコントロールが未熟なのだが、まだまだ若い。

彼が今後、どう化けるか?期待の星の一人。

せっかくの脚、軸足はともかく流す側の脚、ラインを”殺して”しまっているのがわかっているのだろうか?

そして、腕を広背筋に”載せる”ダブルバイ。隣の大藪くんの理想的なポージングを学んで欲しい。

多くの選手は、この超バルキーな二人にしても骨盤から一旦直線ができ、それから外側にもう一度膨れる。

僕もそうだが涙型、ティアドロップ型、流線型のラインを描けないタイプは、深い密度を出すことが必須条件である。

90年代活躍した福岡の西島選手など、小さな骨盤から”思い切り”外側に美しいラインを描いて居た。

歴代のミスター九州の中で、このシルエットを超える選手にはまだお目にかかって居ない。

ウエイトをどう足裏で意識してしゃがみこんで大腿部に負荷を与え続けてあの美しいラインを創って行ったか?

20年の歳月は経ってしまったが、いつか彼のジムを訪問して直に教えていただきたいものだ。

神経を鍛える

テーマ:

宮崎出身で九州オーバーオールを狙える若手成長株の筆頭に躍り出てきた大藪選手。

隙のない仕上がり、美しい曲線と密度の高い大腿部を持つ。

これに、もっと深いセパレーションとバスキュラリティ、カーフの丸みが付けば無敵なのだが。

無表情で淡々と力強いポージングを決めることができるのが彼の”個性”だが、笑わせると顔の筋肉が動き笑う(当たり前か、、、)。

さて、本題。

なぜ、”普通の人”も、ボデイビル以外のレベルの高いアスリートも、過酷な減量を強いられるボクサーも、有酸素運動の極致とも言える長距離ランナーも、脚の高い密度とセパレーションが出ないのだろうか?

それは、まずは”意識”の問題。

脳と脊髄を中枢神経と言う。

それ以外の神経を末梢神経と言う。

脳で脚を動かす命令が”できる”と、脊髄を通って下降しながら、末梢神経を通って筋肉に達する。

瞬時に、筋肉は反応するが、基本的には、脚全体がスムースに動けばいい。

そのために、過去の記憶やプログラミングを参考にしないといけないし、その場での現状を把握。

それがまた道を駆け巡る。

反射という。

これら神経のインフラは発育していくうちに出来上がる。

筋肉が協調して脚という大きな物体を動かせばいいので、一種類の筋肉が”目立って”動いてはいけない。

みんな一緒に、適当に、同時に動くのである。

でも、ボデイビルは違う。

主役を”拵える”のである。

全ての筋肉には隅々にまで神経という道が行き渡っている”はずなので”、主役を作らないといけない。

マッスルコントロール。

苦労してできた主役は目立つ。

目立てば優先順位で、栄養が行き渡る必要がある。

栄養を運んで、廃棄物を捨てる道が血管。

意識が高まれば、血管もインフラ整備され発達する。

栄養やパーツの貯金箱としての皮下脂肪も、インフラ維持に使われるので、減ってくる。

でもいつまでも同じ筋肉が主役では、ほかの”奴隷”たちは腐る。

変えていく必要がある。

刺激の強さも、方向も(confusion principle)。

神の経(みち)、神が宿る、と古人は考えたのだろう。。

顕微鏡で”神の経”を観察していくと、精子と同じ落ち着きなく、でも精子と違ってある決まった方向を向いて動く。

神経線維の先がほかの組織の隙間をくねるように辿る。

培養して見ると、満員電車の中でわずかな隙間を見つけるように、繊維が伸びていく。

刺激が強ければその中を走る刺激のスピードも増しほかの細胞を壊すことなく押しのけていく。

そして新たな道ができる。それが記憶となっていく。

だから繰り返す(レップス、セット、ホールド)必要がある。

若ければ若いだけ、インフラは作りやすい。記憶も残りやすい。

歳をとれば取るだけ、細胞単位で”疲れている”ので道はできにくい。

年寄りはいい事もある、視野は広い(例外はあるが)。

若者の視野は狭く、誘惑も多い。

二兎を追う者は一兎をも得ず。

次回は脂肪のテコ作用について。