僕も現役時代苦手だったが、しっかり取らないと、これほど、上体、下半身前面の欠点をさらけ出すポーズはない、というのが、アブドミナルアンドサイ(直訳は腹部と脚)。
この写真は九州クラス別75キロ以下級。
東海チャンピオンでもあるバルクもバランスもある椿選手をリラックスでのシルエットは全国レベルの日高、横山両君が挟む。
日高君は、長年のオフの後遺症か、へそ周りの真皮の新陳代謝が、皮下脂肪の減少に追いついていかないのが露呈する。
下腹部に最低でも静脈が走っていないとこのたるみは消えない。
55歳という年齢から、いつもへそ周りを意識して過ごす努力も当然だが、上部だけ、下部だけ、どちらかに意識が逃げてしまう腹筋種目以外に、このポージングでいかにたるみを見せないか、練習ありき。
もともと素晴らしく美しい腹直筋を持ち、プロポーションも抜群、そして丸みのある曲線が大腿部外側、内側とも太く長いたくましいカーフに繋がるラインを持つ。
このポーズで隙を見せないで頑張ってほしい。
普段からもっと腹筋トレ、ポーズにひねりを入れホールドして深い腹横筋、腹斜筋群を正中に向かって閉じてくるような動きを意識できるようになると、バリッとしてくる。
椿選手は、腕を挙げても、細いウエストラインも崩れず、百戦錬磨の決めるポージングだが、脚の密度が不足しているのが露呈。
隣の日高くんが良すぎるのではなく、彼くらいのセパレーションは全国区では”常識の”時代。
位置の高いカーフもうまく欠点を露呈しない左右均等にバランスを取れる足位置を取れるスキルがあるのが素晴らしい。
横山くんの脚もここで密度、セパレーションのなさを比較されてしまう。
彼の胸郭から骨盤にかけての美しいラインをより活かすには、骨盤から脚が外側、内側ともに深み丸みの曲線を描くべき。カーフの位置も高くないので、彼ならそれができる。いや、しないといけない地位にある。彼の
得意な、少し捻りを加えたポージングを練習の時に取り入れる、そして軸足を中心に、魅せる脚をコンパスで円を描くような動きでこのあたりの意識を”コンティニュアステンション”(持続負荷)でセット間にやることをお勧めしたい。もちろん左右の脚とも。
この写真は65キロ以下級、二位の佐藤くんと優勝の武道くん。
リラックスで出ている脚のセパレーションが消えている!
軸足と反対側の脚には内転筋、縫工筋、そして四頭筋、と大きなたくさん”披露しなければいけない”筋群がある。それを見せないで何なのか?
脚から決める、ポージングの基本がなっていない。
これこそ宝の持ち腐れ。
肘はもっと顔につけ、立ったまま”エア”でクランチする気持ち。
そして骨盤を”閉じる”気持ち。
白線ももっと深くなるし、下腹部の密度も高まる。
隣のポージングのお手本を示してくれる佐藤くんは、密度さえ高まれば頂点に行ける。