コンテストにおいていわゆる基本ポーズは”取れて当たり前”。
取れてから個性を加える。
なぜなら魅せる競技だから。
紀元前に造られたギリシア彫刻を見ると、両肩を結ぶラインと骨盤の傾き。
目線と手指先の伸ばし、あるいは曲げ方。
軸足と反対側の足の置き方、位置関係。
真正面からだけでなく、少し正面からズレた位置からの目線も意識して立体感を醸し出している。
まっすぐ直立していないのに安定感がある。
ポージングの基本はここにある。
バックダブルバイが”うまく”できない理由は、3つある。
1)自分でダイレクトに見えないので”微調整”できない。
2)肩甲骨とそこに付着する筋群の理解不足。
たくさん筋群があるので、めんどくさい、そしてツル、痛い、言い訳ばかりできるパートでもある。
3)上半身だけ見せれば良いと思い込み、土台である脚、そして上半身と下半身の”要”である骨盤、そこに付着する大きく大切な筋群をないがしろにしがち。
今回観戦したクラス別優勝者たちのラインナップは壮観。
バックダブルバイ、皆、上背部や起立筋群がしっかり盛り上がり素晴らしい密度だが皆、一つずつくらい欠点を抱える。
右端の武道くん、セパレーション、密度は一番。よくぞ仕上げた。
軸足が”内股”、そして肩甲骨を寄せ過ぎ。
肩甲骨が胸郭のどの位置にあるのかがわかっていない。そして肘の位置。もっと気持ち上。体の中心から突起が出て行く時、その角度が変化するのは”おかしい”。
全国レベルで活躍する左から二番目の椿選手。
欠点のない身体はさすが。
でも右大腿部の外旋が不足。
そのために、臀筋の密度が出せない。ハムもぼやける。
左端の井上くんも骨盤がついていってしまうので臀筋がぼやけ、ハムとの間の溝が出ない。
でも足の位置もしっかり軸足、そうでない足にバランス良く”散らし”、一番安定感のある力強いバックダブルバイを示している。
上半身に比べ発達の遅れた大腿部から先細感が目立ちがちなカーフをポージングでうまくカバ−している右から二番目の大藪くんがこの中では理想に近いとも言える。もう少し肩甲骨を広げてもいいけれど。