なぜ、トライセップスポーズが肩から腕の密度アップに役立つのか?
なぜ、”トライセップス”"サイドポーズ”なのに、このポーズを”練習”すると臀筋の密度が上がるのか?
それは、三角筋も臀筋も、それぞれ上肢、下肢の”蓋”だから。
蓋は、肢、すなわち突起が外れたら困るのである。
トライセップスイクステンションで胸郭に押し付けられた上腕は、その上側、骨頭で胸郭から離れようとする。
たくさんの肩甲骨周囲筋が支える突起(腕)。
それを覆う三角筋、”蓋”は強いストレスを受け、収縮する。
これにサイドチェストを加えると三角筋には強い”ねじれ”が、三頭筋長頭にはストレッチというストレスがかかる。
下肢でも同じ。
僕はとんでもなく細いが、はるかに巨大な腕や脚を持つアメリカ人たち、そんなに太く見えないのでは?
彼らが、軸足を安定して決めていない、脚同士が離れてしまっている、下半身から決める、のではなく上半身だけに意識が集中してしまっているから。
そして、骨盤を中心に上下に螺旋カーブを描けていない、ことにある。
細胞レベル、分子レベルでも、遺伝子がどうして安定して保存されているか?
それはDNAが螺旋カーブを描きながら形を保っているからである。
動きがあってかつ美しいものは安定した曲線を持つ。
大腿部が反対側の軸足に押さえつけられる、と、骨盤周囲筋群や、”進化の過程では”中臀筋が活躍するはずが、僕たち人間は立つためにそれを覆う大臀筋が主役と躍り出た。
筋肉の原則、進化的に新しいものほど表面にある。
たくましい若いオスゴリラより、ヒトのばあちゃんの大臀筋の方が太い。
この押さえつける、という性的、ゴホン違う、静的なストレスを利用して、しかも、軸足と反対側の脚を外旋すると、大臀筋の主作用である”ケツ”が閉じてくる。この二つの動きでまたタルタル弛んでしまいがちな尻周囲の頑固な脂肪を燃えせる。
ひたすらランジをやるもの良いが、人生は他にやることもある。
僕は体力がないので、ランジをするたびにオーバーワークになり”寝込んで”いた。
20年前、旧サイドトライセプスポーズの非軸足側を円運動させながら、そんなこんなの”深い”意味をわかッた時、嬉しくなった。
脂肪も筋肉も手を抜く。
誰か別のパーツに動きを”散らし”ちゃう。
その筋肉を”出したい”ならその筋肉の”成り立ち””存在意味”を知るべき。
ポーズはナルシストだけの物ではない。
ぎゅうっと三頭筋を攻めながら、どう”彼の”声を聴くか、そして、彼に手を抜かせない、でも、優しく変化を起こすために工夫するのは面白い。
重いものでぎゅうぎゅう攻め立てるだけがボデイビルではない。
ふと別の筋肉の声も聞こえてくるポージングを楽しむのも長く続けるコツだと思う。