筋肉は神経の奴隷。
奴隷は辛い。
だからなるべく手を抜く。
自分だけ率先して働くようなことはしない。
上腕部を中央で”スライス”してみると、骨が内側よりにあってその周りに筋肉が3つのパーツ、”入れ物”(筋中隔)に入っていることがわかる。
二頭筋、上腕筋、そして上腕三頭筋の順で”図体がでかい”。
三頭筋は、ちょうど二頭筋と上腕筋を合わせたのと同じ。
肘関節を中心に考えると、肘を伸ばす(伸展)三頭筋の力に対し、肘を曲げる(屈曲)には二つの筋肉で対抗している。
だから、様々なイクステンション、プレスでは、二頭、上腕筋をどう動かすか、すなわち、どの位置で弛緩させるかで、三頭の収縮度合いが違ってくる。
ブレーキをどうかけるか、ということ。
筋肉は収縮こそ命、だが、拮抗筋がどう緩んでくれるか、ブレーキをどうかけているか、で収縮度合いも変わる。
プレス、イクステンションで、どうしても効きが悪い時、肘を捻るのではなく、手首、前腕を捻ってみる。
肘関節は捻れは想定していない。シンプルに屈曲と伸展。
捻れを繰り返すと、腱や軟骨がすり減る。
二頭筋も上腕筋も、前腕に付いている。
上腕筋の拮抗を”捨て”るには、完全に回外にしてみる(リバースグリップ)と二頭筋が主役のブレーキ、制動となって面白い効きを感じる。
肘を曲げた状態、”エア”で手の親指を外側に回すと、それだけで”力こぶ”ができる。
この”プレ”収縮を利用する。
そして収縮した状態が、反対側の三頭筋の制動にもなる。
そういう意味で、自由度のあるタオルやロープがハンドルとして適している。
ま、”器用な”トレーニーは何をやってもどんなハンドルでも効くのだろうが、、、。
胸郭に付ける、少し離す、付けたままにする、動きながら離す、など、ついついサボりがちな図体のでかい三頭筋は、ドMな筋肉である。
大きな上腕の”奴隷”をしっかり働かせて、密度ある腕を見せられる夏にしたいもの。