ハンマーストレングスが日本市場に登場してきた90年代後半。
独特のデザイン、レバレッジシステムとその究極のスムースさ、フリーウエイト感覚は、新鮮な驚きと感動を筋トレ愛好者に与えた。
他の欧米メーカーもこぞってイミテーションを創った。
単刀直入に言えば、”真似た”。
そう二匹目のドジョウを誰しも欲する。
でも真似、パチモのはあっという間に淘汰される。信念なきものに本当の魅力などない。
どこかの国のスマホ、車などと同じ。
鍛錬は一貫した世界に誇れる独創性を”売り”にしてきた。
次回以降に述べるがレバレッジシステムを取り入れたマシンは鍛錬にも有った。
そんな大岡さんも一度だけハンマーの”マネをしよう”とした。
数えきれない彼の創作マシンの中で一台だけある、そのマシンは、バタフライプレス。
もちろんオリジナルのハンマーよりコンパクトで”パチもの”とは言えない完成度の高さ。
でも僕に語るいつもの”ドヤ顔”も、苦心して練り上げたアイデアを形にしたという眼の光が無かった(僕は感じなかった)。
当然すぐカタログから外した。
彼も人間だ、迷い、そして悩む。
路も少しだけ外す(外していないと言い張るだろうが)。
中古市場でも、幸運にも?すぐ消えてくれた。
彼のプライドがあったのだろう、レベレッジでも全然違う発想、そして”執念の”ポジティブベンチが生まれたのは彼本来の負けず嫌い、こんなレベルのマシンの真似など悔しい、と思う反骨心だったと僕は思っている。
彼が、そして僕も常々言っている、筋肉とは収縮こそ命、ストレッチを感じすぎるとブレーキがかかる。
ネガティブよりポジティブなのだ。
収縮をいかに安全に、しかし強烈に感じることができるかがマシンに科せられた課題。
ウエイトが上から落ちて来る、というフリーウエイトでのベンチプレス”風味たっぷり”のマシンの登場。
僕はワンハンドロー、シュラッグにも愛用している。
ただ、残念な事にこのポジティブベンチの出現が、鍛錬の方向性まで変える事になった。
ボデイビルから、介護マシンへの”静かなる”移行である。

それはまたいつかゆっくり書いてみたい。
なぜなら介護系マシンの”真髄”を僕はまだ知らないし、語る知識も興味もまだ乏しい。
しばらくは、鍛錬の原点であるボデイビルマシンについてもう少し書き続けてみたい。
スムースさとともに彼が追求し続けたのは”軸”だったのだから、、、。
その軸とは。以下次号。
追伸:南九州の高速道路は閉鎖なく、なんとか職場に戻ってまいりました。
ご心配かけました。まだまだ月曜日まで移動しまくりですが、気をつけて働いていこうと思います。