床に散らばるベビースターを吸った掃除機が「カラカラ」と音を立てる。
ちゃぶ台の足に引っかかったコードが抜けて、ついでに掃除を終えようかといつもの邪魔くさがりが顔を覗かせるころ、
ランドセルを鳴らして子どもたちが走ってくる。
「おっともう15時か。今日もにぎやかになりそうだ・・・。」
「しゅくだいカフェ」は、平日の15時~19時に毎日無料で開放している小学生用のサードプレイスだ。
2016年9月に、東淀川を愛する中小企業経営者と、地域で子連れ出勤を推奨する会社を経営する主婦、世界中の教育現場を見てきた若き教育コーディネーターの3人で立ちあげた。
「世の中のゴキゲンの起点は家庭にあり、特に保護者の影響が大きいのではないか。」
保護者がゴキゲンだと家族もゴキゲンになり、外に出てそのゴキゲンを社会にまき散らす。
小さなゴキゲンは、バタフライエフェクトのように世界の平和につながるかもしれない・・・。
そんな軽い雑談の中から、
「放課後、信頼できる大人と出会える安心安全な居場所を。」
「確実に宿題を終わらせて帰ることで、夜の2時間を本来の団らんに」
というコンセプトが生まれた。
行政や既存の組織の力を借りずに始まったこの場所は、2年半で280人の子どもたちの居場所になった。
相対的貧困、発達障害や不登校、いじめやDV・・・
世の中にはたくさんの行き辛さを抱えた子どもたちがいる。
もちろんそんな子どもたちの力にもなりたい。
でも「しゅくだいカフェ」はそんな課題やハンデが強い子どもたち専門の場所ではない。
「どんな子でもウェルカム」というスタンスだ。
「もっと『助けたい子ども』を具体的に絞った方が社会課題解決につながるのでは?」
そう言われたこともあった。
でも、必要としている子どもを探すのではなく、来ている子たちがこの場所を必要としている子たち。
そう信じた。
言動が激しい子や、お試し行動が強烈な子も当然いる。
あまりのエスカレートに接し方を迷った日々もあったが、
信頼のカベに「でん」をすると子どもは自分で戻っていく力を持っていることを知った。
とってもシンプルに、まずは主体的に宿題を終わらせ、
ストレスを発散したり、悩みがあれば相談したり、何もなければ思い切り遊んで、
家にストレスと宿題を持ち帰らないための、学校と家庭の間の中継基地。
そんな場所が、日本中に広がりますように。
夫の転勤が決まったらまず、妻はネットで転勤先の地域に「しゅくだいカフェ」があるか検索する。
あればホッと胸を撫で下ろして、その近くで住居を探す。
まずはそんな風景を目指して、
しゅくだいカフェは全国に展開していきます。
※しゅくだいカフェのHPがようやくできました!
現在3拠点がすでに動き出しています。
「しゅくだいカフェやりたい!」
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そんなソーシャルグッドな方は、下記メアドにご一報を!