過去の断片たち。
お付き合いが始まるか
始まらないかくらいのとき
こんな曲があるんだよと
教えてもらった歌の中に
こんな歌詞がたしか、あった。
その歌手の名前も
曲のタイトルも
もう覚えていない。
すべて捨てて……
そしてどうなるの?
私にはロマンチックすぎた。
現実主義者の私には。
捨てるほどの何か。
捨てるに値するとされる何か。
捨てた代償としての期待、
捨てられた側の人生。
期待は潰える、
でも人生は続く。
覚えていたい心地よい記念日ではなく
忘れたくても思い出す日付としての今日。
捨てることで
何かを掴み取ったと思った、
でもそれは違っていた、
結局は…
現実主義者は
ロマンスに浸りきることが出来ない。