6月の一般質問についてまとめました。

テーマに沿って分割しています。

一つ目のテーマは包括的性教育です。

 

 

 

I 包括的性教育でジェンダー平等を前へ

 

 

質問1 国際セクシュアリティ教育ガイダンス(2018年改定)について教職員が学ぶ機会は確保されているか。その内容を具体的にうかがう。

 

国際セクシュアリティ教育ガイダンスとは・・・

国際セクシュアリティ教育ガイダンス | SEXOLOGY

 

教育部長)教育委員会として、直接学ぶ機会は設けていない。

人権教育推進委員会で各校の人権教育委員を対象に男女平等に係る内容の研修や性的マイノリティに関する理解と学校の対応にかかる研修をおこなっている。受講者が各学校で伝達研修を行っている。

今年度は、校長会、初任者研修において国際セクシュアリティ教育ガイダンス等についてとりあげ、自他ともに尊重される関係性や行動、ウェルビーングに関するスキルの理解を深める機会を設ける予定。

私)日本のジェンダーギャップ指数は世界125位。

包括的性教育でも遅れており十分とは思えない。さらに取組を広げてほしい。

 

質問2 小中学校における包括的性教育は具体的にどのように実践されているか、国際セクシュアリティガイダンスのキーコンセプトについて学ぶ機会を具体的にうかがう。

キーコンセプトとは?

①人間関係②価値観、人権、文化、セクシュアリティ 平等、尊重、需要、寛容などの重要な個人的価値観を明らかにする(知識)③ジェンダーの理解④暴力と安全確保➄健康とウェルビーイングのためのスキル⑥人間のからだと発達⑦セクシュアリティと性的行動⑧性と生殖に関する健康

 

教育部長)小中学校における包括的性教育の取組として、R5から全校で実施をしている「生命の安全教育」や東京都教育委員会作成の「性教育の手引き」の活用等があり、児童・生徒の人格の完成を目指す人間教育の一環として性教育を行っている。

具体的には、子ども達が道徳の授業で生命尊重について考えたり、特別活動において男女が相互に協力することについて体験を通して学んだりしている。

キーコンセプトである①人間関係②価値観、人権、文化、セクシュアリティ③ジェンダーの理解④暴力と安全確保➄健康とウェルビーイングのためのスキル⑥人間のからだと発達等については保健体育や理科の授業だけでなく家庭科や道徳で使う「家族」や社会科で扱う「男女共同参画」等様々な教科等の中で、子ども達が性について学ぶ機会を設けている。

 

※キーコンセプト⑥項目について紹介していただいたが、⑦セクシュアリティと性的行動⑧性と生殖に関する健康について、意図的に触れていない点に注目。

 

日本には歯止め規制があるため性教育に消極的になった経過があります。

参考文献

「性教育とジェンダー平等をなぜ、どう敵視してきたか 性教育バッシングと統一協会の罠」浅井春夫著

一般書-商品詳細|新日本出版社 (shinnihon-net.co.jp)

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再質問)性はグラデーションであり、男性・女性に当てはめてしまうのはどうか。

キーコンセプト①人間関係には、「世界には様々な家族の形がある」と示されている。多様性の視点は包括的性教育の骨格だということがある。性教育は、性行動のみならず、性の多様性についても重要。

だからこそ、教職員も私達も保護者も、みんなが学んでいかないと、今でもジェンダーギャップ指数は125位と取り残されているのにさらに世界から取り残されてしまう。もっと大きくとりあげてほしい。見解をうかがう。

 

教育部長)その視点で取り組んでいく。

 

質問3) 文科省が推進する「生命(いのち)の安全教育」が2023年から本格実施されている。当市における取組状況をうかがう。

 

※生命の安全教育はこちら

性犯罪・性暴力対策の強化について:文部科学省 (mext.go.jp)

 

教育部長)命の安全教育はR5から全校で実施をしている。小学校ではプライベートゾーンを大切にすることや他者と適切な距離をもってコミュニケーションをはかることについて、発達段階に応じた指導を行っている。

中学校では性暴力について理解し、適切な行動をとることを指導している。

自他を尊重する態度や正しい知識に基づいて自らの行動を選択する力が育まれていると捉えている。

 

感想

 

包括的性教育は「人権」を理解し、実践することです。

教室の中だけで「正解」を求めるだけでは不十分で、学校教育全体の中で、多様性を尊重し、個性を尊ぶ土壌ができていなければ、人権教育は机上の空論となってしまいます。

そのためにも、私たち大人たちが学ぶ必要があると思います。

国際セクシュアリティ教育ガイダンスの改定で大きく変わったのは③ジェンダーの理解、④暴力と安全確保です。

性教育がしっかり実施されていれば、低年齢の子どもの性被害を防ぐことができるはずです。性被害は、支配から起きる問題。性教育によって、DV被害や、セクシャルマイノリティの排除をなくしていくことができるはずです。

教育所管の皆さん(教育委員長、教育部長、教育担当部長、教育部次長)はすべて男性。アンバランスな配置も改善が必要ではないかと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。