目合わせトレーニング(前編) | ZIHEIの壺〜 自閉症児の子育て と ABA (応用行動分析)療法 奮闘記〜

ZIHEIの壺〜 自閉症児の子育て と ABA (応用行動分析)療法 奮闘記〜

カナー自閉症の息子。ABA(応用行動分析)と出会い 確かな効果を実感し実践中。小学1年生から母も毎日学校に付き添いながら息子と共に成長の日々を過ごしております。このブログを通し同じ境遇の方々と繋がれたら嬉しいです。

自閉症かどうかの判断項目に

『視線が合わない』

という項目があります。


ターは、全く目が合わない子でした。

何かしらの要求があるときは、手を引っ張って連れていくことで(クレーン)意思表示をしていました。


病院や福祉センターで、

『視線が合いますか?』

と聞かれる度に悲しくなり。。。


3歳の頃です。

一度、寝ころんでいるターの両頬を無理矢理押さえて、私の目を見させようとしたことがあります。


『ママを見て』『見て』と何度言っても、、、どう頑張っても。。。


絶対に目を合わせなかったター。

しまいには、つらそうな表情で、ぽろっと涙を流しました。。。


私の?

母親の目を見ることが?

そんなに辛くて?

涙が出るほど悲しいことなの?


と愕然とし、

アイスピックのような鋭い針で胸を刺されたような痛みを感じました。

泣けて・泣けてね。。。


この痛み、今もハッキリ覚えています。。。


多分、この痛みは、一生ついてまわるのだろうな。


そんなター。


ABAを始めて3~4年後、9歳の頃には、私と家族とだけは、視線を合わせられるようになりました🍀


ママだけではなくてね。
りんごも・・・・


ABAでの目合わせトレーニングをご紹介します。


この《目合わせ、視線を合わせる》課題はね、


 通常の 場合は、 お子さんの名前を呼んで、お子さんの 視界に大好きなもの(強化子)をいれる際に、ママ(パパ)の瞳の辺りにかざして見せて、強化子とママ(パパ)の顔を対に呈示 することで、好きな物をみるときに自然に視界にママの瞳がはいり、視線が合うように仕向けていく アプローチをするのですね。


しかし、自閉度が重度の筋金入りのZIHEIっ子さんに関しては、

このアプローチでは、うまくいかないこともあり、、

難易度の高い 課題となります🍀


ABAの中には、早期集中行動介入というプログラムがあり、2歳~5歳位に集中して行うと顕著な効果があるとされているのですね。


他の課題に比べると目合わせ課題は、

『何を要求されているのか?』

をお子さんに理解させるのが難しいのですね。


例えば、

指定されたカードを選ぶ。

とか

動作(音声)を模倣する。

または、

平仮名を書く。

などの場合は、課題ができたら強化子をもらえるという流れが解りやすいですが、


《目合わせが出来た?》《出来ない?》


は、何を強化されたのか?が解りにくいからです。


そこで、いつも、セラピーしていて、お子さんにとっては難なくこなせるDTT課題から始めます。


始めは、お椀と積み木(2㎝四方位の小さい物なら何でもいいのです(^^))を用意します。

お椀に積み木を入れさせます。


SD(指示)

『入れて』

と言って、手助け(プロンプト)しながらでも、お子さまに積み木を入れさせます。


積み木をお椀に入れられたら、

飛びっきりの笑顔+誉め言葉+強化子

をあげて、

『指示にしたがって、積み木をいれる行動を強化します。』


プロンプトしなくても、楽しく積み木をお椀に入れられるようになってから、次のステップに移ります。


今まで同様、

『入れて』

のSDで、
お子さんが積み木を入れようとした際に、手でお椀を塞いで入れられないようにブロックします。


お椀を目の高さに持っていきお子さまと視線の高さを合わせて、


お子さまの視界に、入るようにお椀を位置づけて視線が合ったらブロックを外して積み木を入れさせて、


即時に

笑顔+称賛+強化子


で、強化します。


ハッキリと目が合わなくても目の辺りを見ていたらOKとします。


お子さんの中には、

(今まで入れられたのに?

あれ?なんで?)


と不思議に思い、自然に目を合わせてくれる子もいるかもしれません。


今までのお椀に積み木を入れるという課題が簡単だと感じているお子さんならば、比較的すんなり、

お椀に入れる+目合わせ

の課題ができるようになると思います🍀


ここでの注意点は、

新しい課題に入る時や課題をステップアップさせる時は、強化子の種類を変えてください。


それまでのトレーニングでの強化子よりも特別に嬉しいものを選びモチベーションを上げることがとても大切です。


目合わせの課題は、やりすぎないようにしてください(^^)

この課題は、


『お子さんに目合わせをトレーニングする事が目的ではない』

のですね。


『視線を合わせてみたら、とっっても嬉しいことがあった♪

そして、いっぱい誉めてもらっちゃって、ママ(パパ)がにっこにこになって(*^^*)

なんだか良い気持ちだなぁ♪良かったなぁ(*^^*)』

と経験してもらう事(感じてもらう事)が目的なのですね!


なので、反復練習ではなく、ジリジリ・ジワジワ地道にアプローチされると良いのかなと思います。


ロングスパンで、ゆっくり、楽しく進めていけたら良いですね(^^)