知らないことが、強みになる | あなたの未来ライフデザインコーチ・本田章子 オフィシャルブログ

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うまくいかないな、どうしたらいいのだろう?進路のこと、仕事のこと、子育て、夫婦・家族・職場の人間関係で、悩むあなたを応援します。スクールカウンセラー、自治体の相談員の経験があり、社会福祉士で臨床検査技師の私がお話をうかがいます。

こんにちは、本田章子です。

昨日、ウインターカップ長崎県予選が終了しました。

「ウインターカップ」というと、バスケ関係者は、「おぉ~」といいます。

特に、高校でバスケをしていた方やその保護者の方は、

「もう、そういう時期なんですね」と感慨深げに反応します。

いいなぁ・・・そう言えるって、っと、羨ましいです。

今の私は、その真っ只中にいて、

高校生相手にハフハフしているのが、現状です。(苦笑)


ウインターカップの正式名称は、

「全国高校選抜優勝大会」というそうです。

・・・・というそうです、という表現でもお分かりのように、

3年前、高校バスケ部に関わるまで、

私は、「ウインターカップ」が、

何のことかよくわかりませんでした。

あまり正直に言うと、バスケ関係者にブーイングされるので、

大きな声では言わないようにしていました。(苦笑)


そういう私が、バスケットのメンタルコーチをする上で、

「バスケットに関して、キャリアが少ない、

バスケの内容に詳しくない」ということが、

弱点ではなく、ものすごい「強み」になっています。


そのことについて、今日は、書きます。


「知らない」というのは、指導現場において、

結構なんて、生易しいものではなく、

相当辛いものがあります。

周りは、知っているものとして、対応しますから、

うかつなことは言えないし、

もちろん、知ったかぶりもできません。

体育館で、バスケの練習風景を見ながら、

どうしようか・・・と最初は、思いました。びびっていたのです。(苦笑)

とにかくせっせと、体育館に通って練習を見て、

大会会場では、よそのチームとの雰囲気を比較しました。

最初のころ、チームは、予選で敗退していましたから、

準決勝、決勝は、ビデオカメラを持って、一人で会場に行って、

ベスト4の試合を見ました。

「分からないから、分かるようになりたい」という気持ちだけが、

私にとって、当時の一番のエネルギーでした。


「見るポイントはどこか?」

「この試合から、何を学べばいいのか?」と

自分に質問を出しながら、見学をしていました。

試合を見て、わからないことや、不思議に思ったことは、

生徒たちに、どんどん聞いていきました。

生徒が分からないことは、指導者やバスケ部のOBに

質問して、教えてもらいました。

漠然と見るのと、ポイントを絞って見るのでは、

学習する能力も、吸収するスピードも全然違います。

そして、質問に対する相手の反応も、

こちらの姿勢で変わります。

ポイントを押さえて尋ねたり、

「それって、こういうことですか?」と自分なりの解釈を伝えて、

間違っていないかどうかを確認することを繰り返すと、

単にそのことについて、答えてくれるだけでなく、

参考になる別のことも教えてくれるのです。


学校現場や指導現場は、

「学ぶことが好き、教えることが好き」という人の集合体ですから、

その場に居るというチャンスを逃さない手はありません。

男子バスケ部だけでなく、女子バスケ部、ハンドボール部、

サッカー部などの生徒、顧問や指導者やOBにも話しかけて、

質問して、教えを乞いました。

コミュニケーションがとれるようになって、仲良くなると、

いろんな意見を言ってもらえるようになります。

愚痴や悩みや不平、不満も聞かせてもらえるので、

「なるほど、そういう考えがあるのか」

「そういう捉え方もあるんだ」

「そんな視点もあるんだな」と、

びっくりしたり、感心したり、胆を冷やしたりしました。

いろんな立場での見方が加わり、

視野が広がっていきました。


私が、バリバリのバスケットに詳しいタイプで、

現役時代に結果を出しているプレーヤーだったりすると、

煙たがれるでしょうし、相手も警戒して、

こんな深いことまで、なかなか言ってもらえないだろうな、と

途中で気がつきました。

知らないことが、強みに変わった瞬間でした。


ベテランの方は、最初はとっつきにくくて、たいへんですが、

「この人は、いろんなことを聞いてくるけれど、

よけいなことは、(よそで)言わない」と

いうことを、わかってもらえると、

ものすごくたくさん教えてくれる方が多いです。


見て、聞いて、考えて、また、聞いて、と

試行錯誤して、途中で、失敗したり、叱られたり、

褒められたりしながら、学んでいきました。

また、生徒たちとのコメントのやり取りの中で、

どうすれば伝わるか、とか、個々の悩みをどうしていくかを、

腱鞘炎になりそうなくらい、バスケノートに綴っていきました。


そうして、高校バスケ部のメンタルコーチ、3年目にして、

ウインターカップの意義と意味と

それに合わせたチームを作る上でのポイントを

把握することができました。

そして、生徒たちとも、

目標やチーム全体の方向性の共有化も

できるようになりました。

迷える子羊が、狙いをさだめて、

一気に駆け抜ける駿馬に変身したのです。



我ながら、よく成長したなぁと感動していますし、

生徒たちも、よくついてきてくれたな、

ヘッドコーチやアシスタントコーチ、フィジカルコーチ達とも

コミュニケーションをとってきたな、と思います。

ウインターカップの区切りを機に、振り返って、

エッヘン!!っと胸を張りたい気持ちです。


3年間の苦労のなかで、メンタルコーチとしての収穫は、

チームが勝てない、チームワークがうまくいかないときに、

1)何が課題かということを見つけることが早くくなったこと、

2)誰が何をわかっていないのか、が分かるようになったこと

3)どう説明すると、共通理解を得られるようになるのかの

説明ができるようになったこと、

この3つです。

そして、どうすればチームのチカラがバージョンアップするかも、

輪郭が分かってきたので、そのセオリーをまとめたいなと

考えています。


バスケットの世界に長くいる人には、バスケットの初心者が、

何が分からないのか、が、分からない方が多いんだな、ということも

わかってきました。

そして、私の提案を聴いて、「その視点はなかったです」

「そういうやり方があるんですか!?」と

「眼からウロコ」と、びっくりされる方が多いですね。


ベテランの方のキャリアを否定せず、

リソース(資源)を有効に使って、

生徒にマッチングする指導に変えていくには、どうするか?を

その指導者の悩みやタイプに合わせて、

コメントが出せるようになりました。


バスケットに関して、長いキャリアがあり、

また、ベテラン指導者であっても、人間です。

悩みも迷いもあります。

また、動くのは、自分ではなく生徒ですから、もっとややこしい。

「何でできないんだぁ~」と大声で怒鳴っても、どうにもなりません。

厳しい指導は、瞬間的にはいいかもしれませんが、すぐダメになります。

さらに、指導者側が、自信を失ったり、イライラしたりして、

メンタルが不安定になると、指導への影響が大きく出て、

いい方向には進みません。


しかし、ここで、指導者が新しい視点を入れて、突破しようとするかどうかが、

大きな別れ道になります。

勇気を持って、第三者の意見を入れようとするかどうかが大事なことです。


自信を失う、というのは、見方を変えると、指導能力が高い人です。

自分が積み上げてきたことや、やってきた指導方法に疑問を抱いて、

「これでいいのか?」と悩むことができる人なので、

方向性が明確になって、悩みに対する対応の仕方が分かると、

指導が一気に変わります。

その結果、生徒たちが変わり、一足飛びに成果に繋がります。


生徒を変えるには、自分が変わること。


その柔軟性を、学校現場や指導現場にいる方に

持って頂きたいな、と思っています。


一番残念なことは、この感性が鈍い先生や指導者によって、

生徒の未来が潰されたり、

生徒の命そのものまで、犠牲になってしまうこと。

「自分がしている指導によって、生徒がそんな風に感じたり、

悩んだりするとは、思わなかった」・・・なんて、

大きな事件になって、コメントを出す先生や指導者には、

残念ながら、この柔軟な視点はありません。


話が大きくなってしましましたが、

話をウインターカップに戻します。

高校男子バスケット部で、チームに専任でついているのは、

一つの高校だけですが、

他に、5つの高校の男子バスケット部の相談にのったり、

アドバイスをしたりしています。

顧問や指導の先生と話をしたり、

生徒が個人的に相談してくることも。

試合会場でよその高校の先生やメンバーに、

捕まえられます。(笑)

この辺のファジーなところも、私の強みなのかもしれません。

もちろん、職業柄、守秘義務があるので、

聞いた内容は秘密です。

生徒のメンタル部分のケアであったり、

チームの目標の立て方、生徒の強みの活かし方について、

コメントをした高校が、今回のウインターカップで、

どんどん結果を出してきていました。

試合結果の点数を見たり、

試合会場ですれ違ったときの生徒の表情から、

モチベーションが高くなって、雰囲気が一変したな、と

気がつきました。

とても嬉しかったです。


そして、もちろん、うちの高校のメンバーも、

しっかり結果を出してくれました。

平均身長がよその高校よりも低く、

バスケットの特待生もいない高校男子バスケ部が、

そのハンディをはねのけて、

堂々たる成果をたたき出したのです。

テクニカルなことも、フィジカルな面も、大きく成長し、

精神面も強くなった3年生は、

私にとって、一番の自慢であり、大きな誇りです。


全国大会への切符は手にできませんでしたが、

指導内容と、本人たちのモチベーション高さで、

高校バスケチームは、ここまで成長できる、ということを

証明してくれました。感謝しています。


優勝校相手に戦う3年生は、カッコよかったです。

2年生、1年生は、3年生のスゴイ試合を見て、

1年後、2年後の目標を立てて、もう、動き始めています。

私も、動き始めています。