入門講座 今週の予定

カトリック上野教会
2月21日(水)19時
2月22日(木)11時 (10時からミサがあります)
カトリック浅草教会
2月22日(木)19時
2月23日(金) 休講


お話しするのは晴佐久昌英神父です。
初めての方も、お子さん連れの方も、お気軽にいらしてくださいおすましペガサススター
お待ちしております。


星空以前のお話星空


『 南仏ヴァンスっていう所にね、ロザリオの聖堂があって、私、行ったことがあるんですよ。美しい。本当に美しい聖堂。

なんか美術家って、藤田嗣治もそうですけど、晩年、聖堂をつくるのね。

藤田チャペルなんて、ランスの、パリからそう遠くない、小さな可愛い聖堂ですけど。

藤田嗣治らしい、素描風の壁画に覆われていて。

そうそう、マティスのロザリオの聖堂にも十字架の道行きがあるんですよ。

その十字架の道行きが、タイルをたくさんはめ込んだ1枚の絵になっていて、

そこに、1番何々、2番何々って描いてある。

ほんとにね、子どものいたずら書きみたいな感じ。

だけど、子どものいたずら書きじゃあない。

その辺がね、人間のほんとの自由。たくさんの色を使うでもなく、たくさんの線を描くんでもなく、一番シンプルな、これこそが、神さまが与えてくださった世界の素晴らしさを、「私はこんなふうに発見した!」っていうような。

そうすると、子どもっぽい絵に戻っていくんですよね。

マティスは最後、体調を崩してから、絵筆を持つのが大変になったとき、切り絵を始めるんですね。

ハサミなら持てる。

それからですよ、あの素晴らしい切り絵の絵の数々。

それもいっぱい展示されてますから。あの、ジャズのシリーズとかね。

本当に美しい。素晴らしい。

マティスの絵を見たら、誰もが、「これって・・・、おれでもできそうだな」と思うわけですよ。

できると思います。問題は、誰も、しかしやらない。

マティス展からうちに帰って、「ちょっとやってみよう」と切り絵やったのは私くらいじゃないですかね。

「こんな感じかな?」とか言って。

マティスが素晴らしい才能があるから、天才だから、他の人には無理だという話とはちょっと違う。

さっきからの話の流れて言えば、どれだけ、幼子のようであれるかっていうこと。そこなんですよ。

法律家になって、裁判所で書記をしていれば、30年、40年経ったら、それなりに立派な邸宅に住んで、それなりに立派な名誉も得て、立派なスーツ着て、お金も権力もね。

そもそもがいいとこの坊ちゃんなんですよ、マティスって。

なんだけど、そうではない道。

彼が発見した自由。キリスト教の本質です。』

 

 

 

 

Lydia