無事発売になりました | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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一昨日くらいでしたか

訳あって“エンヤ”を

リアルタイムで検索してみたところ

 

ほとんどが“エンヤこら”か“エンヤ婆”で、

ちょっと脱力してしまいました。

 

気づけば、荒木先生ぇ、と

思わず口を衝いておりましたです。

 

あ、ジョジョネタですので念のため。

 

さっぱりな人には申し訳ないです。

 

 

なんかそろそろ、通常運転に

戻ってもいいのかなと思います。

 

いずれ“ウィズコロナ”という言い方は

好き嫌いは別にして

たぶん間違ってはいないのでしょうね。

 

携帯にネットにCDにDVDに

あとそれこそリアルタイム検索にと、

 

それまで存在していなかったものが

ある日突然在ることが当り前になって

 

それどころかむしろ

日常になっていく景色というのも

目の当たりにはしてきておりますし。

 

いやだって、もう気づけば

半世紀も生きてるんですよねえ。

 

 

という訳でおかげさまで先週無事新刊が

P-VINE様から発売となりました。

 

トレイシー・ソーンの

自伝的エッセイ第二弾、と

いうことになります。

 

第一弾がこちらですね。

 

こちらはでも、自伝的エッセイではなく

本当に純正の“自伝”です。

 

翻って今回の『アナザー・プラネット』の方は

この『安アパート~』でいうとパート1に含まれる

 

十三才の誕生日を迎えてから、

ハル大に行ってベンと出会う前の

 

まさしくティーンネイジの時代が

掘り下げられていく感じです。

 

ただまあそれだけでは全然なくて、

パート5以降というのがいいのか、

 

御自身の子供たちとの関係性とか

あるいは御両親をそれぞれ見送った経験なども、

 

巧妙に差し挟まれてきます。

 

構成の妙というんでしょうか、

その導入がごく自然で

しかも十分考え抜かれている感じですね。

 

訳者としては、そういう側面に

改めて彼女の文才を痛感した次第です。

 

ただし、ミュージシャンとして見てきた

レコード業界の裏側的な要素は

今回の本ではほぼ皆無なので、

 

本編『安アパート~』に対する

補完的な位置づけではあることは、

やはり否めないかとは思います。

 

その分、都市論と絡めたボウイ論や

あるいは自身とフェミニズムとの

関わり合いの変化など

 

ミュージシャン以外の部分での

トレイシー個人というのが

色濃く出ている書籍です。

 

 

版元の担当さんは334頁の

 

「これからはもう恋人は

 オレンジ・ジュースだけ」

 

というのが気に入って

オビにも採用されているのですが、

 

訳していて僕が一番ウケたのは

315頁に出てくるこちらの一節。

 

「ああ神様、これではまるで

 ジェーン・オースティンの

 登場人物みたいではないですか」

 

――そんな本です。

 

それぞれどんな文脈かは

これは読んでのお楽しみということで。

 

ややお高いのは恐縮ではありますが。

 

 

 

それから前回更新でも触れた通り、

来月にはもう次の本

 

ブロンディのデボラ・ハリーの

初の自伝が登場してきます。

 

とりあえず原書がこちら。

 

 

それこそ「コール・ミー」から

「ラプチュアー」から

「夢見るナンバーワン」こと

「タイド・イズ・ハイ」から

 

「銀河のアトミック」から

「ドリーミング」から

「ハンギング・オン・ザ・テレフォン」からと

 

雪崩のようなヒット曲の数々を

エンドレスで聴きながら、

楽しく訳させていただきました。

 

内容の詳細については

また近くなりましたら機会を改めて。

 

では皆様ご自愛、御自衛下さいますよう。