『軍師官兵衛』続き | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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いや、すごくいい最終回だったと思う
ラストの構図も台詞も決まっていたし。


さて、前の時にも少し書いたけれど(→こちら)、
やっぱりある意味ちっとも大河らしからぬ、
フロンティアへの立ち向かい方だったと
いえるのではないかと思っている。


何が面白かったかといって、
この終盤の終盤になって、


あの関ケ原の合戦の裏で、
九州でいったい何が起きていたのかを、
ここまできちんと
映像に固定してくれたことである。

このアプローチ、官兵衛こと、
黒田如水を主人公に据えない限り、
たぶん、いや絶対に不可能だったろう。


抑えた心情描写もまた、
如水に似つかわしい書き方だった。


そういう意味で、全体的な最初の着眼と、
物語のクライマックスとが、
きっちりと符合しているように感じた。

この点については、それこそ
惜しみない拍手を送りたい気持ちでいる。



正直中盤の、秀吉の関白就任辺りからは、
ちょっと食傷気味に感じないでもない回が
複数あったことは否めない。


主人公官兵衛に対しての、
悪役秀吉という構図が、
やや鼻につく場面が幾つかあったのである。

これもだが、たぶん竹中さんが、
前回の『秀吉』(96年)で
ある意味取りこぼしてしまった
部分なのだろうなあ、と


まあ、そんなことをなんとなく
感じながら観させて戴いていた。


だから、もう少しこの辺りを削って、
関ケ原の前段階に十分な回数を
割いてほしかったかな、というのが、

面白かったからこその欲目であることは
十分承知の上での率直な感想である。



しかも、この構図を成立させるために、
石田三成と茶々(淀)の人物造詣が、
ある意味平板に過ぎる形となってしまった点も、


ちょっとだけ惜しかったかなと、
個人的には思ったりもしている。


ええと、どうしようかなあ。

まあここは僕のブログだから、
何を書こうが、実際僕の勝手なのだが、


書いちゃって後々困らないかなあ、という気も
ちょっとだけしないでもないのではあるが。

まあ、折角なので書いてしまおう。

実は、去年と今年にかけて一本ずつ、
僕はそれぞれ、三成と淀殿親子とが、
重要なモチーフとして登場してくる短編を
ひそかに仕上げていたりもするのである。


おそらくここに来てくださっている方は
ひょっとしてご存知かとも思われますが、

決して専門にしている訳でもないのだけれど、
僕は時々、歴史物も書いたりする。


あ、お忘れかもしれませんが、
僕は一応、アメーバさんが認めて下さった、
作家のジャンルの公式ブロガーです。


音楽の話ばっかりしているので、
時々自分でも忘れてしまいそうになりますが。

まあとにかく、そのジャンルにしか
分類できないような作品が幾つか発表されている。


ただし、真正面から挑んでいるとはややいいがたい。

それこそタイム・スリップだったり、
あるいは木の精だったり
怨霊が出てきたりといった

そういったSFだったり、あるいは
オカルトチックなアプローチを採用しながら、
各編をどうにか成立させている。



いや、自分で藤末鎌初を一旦徹底的にやってみて
つくづく思い知ったのだけれど、
とにかく時代物は資料読みが大変なのである。


幕末をやろうとして、今現在挫折したままに
してしまっている作品も、実は一本あるし。
載せてくれた雑誌にも迷惑をかけてしまった。


だから、もちろん戦国時代には
非常に興味深いドラマが幾つもあることも
十分にわかってはいるのだけれど、
手を出すには到底準備不足だな、と考えていた。


それでもやっぱりやってみたくなって、
だったらどうすれば、なんというか、
自分の懐に取り込むことができそうか、
みたいなことをいろいろ考えながら着手した。


ちなみにそれぞれ、仮のタイトルを
一応『関ケ原』『吉野詣』とつけている。

もちろん前者が三成で、
後者には淀・秀頼親子と千姫が登場している。


だけどまあ、ここから先はまだ内緒かな。

いずれにせよ、そういう背景があったものだから、
個人的には多少この二人に肩入れしたい気持ちを
持ちながら観ていたことは事実である。

実際三成なんかは、自身の領国での評判は
現在に至っても極めていいのである。
その辺り、非常に不思議な存在だなと
実は常々思ったりもしている。


まあ、どちらもそんなに悪い出来ではないので、
いつかきっと日の目を見せられる日も
たぶんそのうち来てくれることでしょう。


ただ、両方ともさほど枚数がないので、
本にできるところまでには
まだ相当かかるかもしれないけれど。


さて、また例によって話がずいぶんと
横道に逸れてしまったので、
今回はさらについで。


もしこのまま大河のスタッフが
フロンティアに立ち続けてくれれば、
ひょっとしていつの日か、


え、別に大河だからって、
現代の場面から始まるのは
絶対にダメだってことも、
実はないのかもしれないね、
みたいなところまでたどり着いてくれたとしたら、

その時はひょっとして
ひょっとしたりするかもな、などと
時に一人でそんなことを
想像したりすることもある。


わかる人には、これがどの本の話なのか
すぐわかるかと思いますけれど、
ここではあえて題名は書きません。



ま、今のところは所詮見果てぬ夢だよなあ。

でも、倶利伽羅や法住寺合戦を
それなりにきっちりと描ける原作って、


そんなにはないのではないかと
自分では思っているのですけれど、
いかがでしょう。


まあどうしたって
タイムスリップがネックになるよなあ。

だけどこればっかりはネタの根幹だからねえ。


さて、そういう訳で、一年を通じ
難役を見事に演じきった岡田准一様始め、
キャストの皆様、大変お疲れ様でした。


併せスタッフの皆様にも慎んで謝意を表します。
本年も、いや、特に本年は
期待以上に楽しませて戴きました。