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強化人間331のブログ

サイボーグである強化人間331の、つれづれ山行記録。
さしておもしろくもないのは、ご愛嬌。

いつの記事だよ!

 

掲載が順調に遅延しております。本記録は5月の中旬ですから、もう3か月以上も前の出来事ですね。まったく光陰矢の如しとはよく言ったものです。ちょっとプライベートが錯綜してまして、どうかご寛恕をば。

 

しかしまあ、7月下旬から始まった株価大暴落には1本とられましたなあ。高値4万2,000円台から3万5,000円ですよ! まさに大暴落と呼ぶにふさわしい代物でした。なんでもブラックマンデーを超える下げ幅だったとかで、いったいどれだけ下がってくのか、これもうわかんねえな。

 

わたしも焦っちゃって焦っちゃって、ほとんどの建玉を捨て値で投げ売りし、損切り率マイナス20パーセントという信じがたい損失を被りました。ポジションはNISA1年分+個別株少々でおよそ400万円ほどでしたので、損失はおよそ80万円ですか。投資を始めて3か月足らずでこの損失率。いやあキツイっす。株式市場は魔境、はっきりわかんだね――。

 

というのは冗談で、もちろん買いポジションなんかひとつも売却してません。こんなこともあろうかと、長期投資に対する勉強はさんざんっぱらやり倒しましたからね。今回の暴落がどれくらい長引くかは不明ですが、そんなモンへのへのかっぱであります。by CHA-LA HEAD-CHA-LA。

 

わたしのポートフォリオはインデックスファンドをメインに据えてるので、平均回帰で株価が元に戻るのをただ待てばよいだけなのであります。ちょっとだけ持ってる個別株も成長株投資(のつもり)ですから、むしろこの暴落相場は絶好の買い場でさえある。早速「これくらいで買えたらラッキー」くらいの指値取引を入れておきました。すべての銘柄がマイナス15%くらいですけど、強がりでもなんでもなく、まったく気になりません。夜も平常運転でぐっすり眠れています。

 

つくづく思うんですけど、こうした局面で狼狽売りをかます心理がまったくわからん。スウィングトレードやスキャルピングなどの短期トレードならいざ知らず、わたしのような兼業投資家は通常、よくも悪くも放置気味の長期投資スタイルのはずです。今後どうなるかは誰にも読めないけれど、長期的には株式のリターンがもっとも高く、かつ右肩上がりなのは歴史が証明しております。

 

したがってどれだけ株価が下がろうがいずれ持ち直すのですから、放っておけばよいと結論できますね。特に市場平均を愚直に取りに行くインデックス投資は10~20年レベルの超長期を視野に入れてやるはずなので、売却するなんてもってのほか。握力を最大にして阿呆みたいにホールドしていればよいのです。

 

もちろん今回の下げが超長期的な下落トレンド――それこそバブル崩壊後の日本のように、30年以上も〈失われた**年〉みたいな大惨事にならないとは言い切れませんが、仮にそうなったとしてもどのみち株式市場にはエントリーしていないといけません。現金はインフレで溶けていくし、積み立て保険は利率の低いインチキ商品が勢ぞろいしてるし、不動産REITは今後下がってくやろうし、仮想通貨は乱高下が激しすぎるし、FXはギャンブルに近いからね。

 

さてそうなりますと、株式市場にいつエントリーするかが問題になっていきます。株価暴落で投げ売りしている人たちはきっと、高値掴みしてしまった現行のポジションをいったん反対売買し、十分に市場が落ち着いて反転し始めたら再度株式市場に戻ってくる、という認識なんでしょう。ここで重要なツッコミをひとつ。彼らは下落の底がいつ訪れるか判断できるのでしょうか? そう、できないのであります。少なくともわたしのような素人には絶対に不可能です。

 

相場の転換点がわかるのなら誰だってあっという間に大金持ちですよね(上昇トレンドの際には順張りで、下落トレンドの際には空売りで大儲け)。残念ながら凡人であるわれわれにはそんな真似できないのですから、上げ相場も下げ相場も愚直に付き合っていけばよいのであります。欲張りすぎたり、自分だけは他のザコとは違う、俺だけは相場の流れがわかるんや! といった過剰な自信はケガのもと。凡人は凡人らしく、買い時、売り時などはあまり気にせずコツコツ投資していきましょう――。

 

ええからさっさと始めろや!

 

山とは無関係なお話が長引きました。それでは早速どうぞ。

7:35 揖斐郡春日村千疋駐車~8:10 無名の尾根取りつき~9:10 843メートルピーク~10:05 1,030メートル付近の池~11:15 貝月山登山道合流~11:25 貝月山~11:50 日越峠(ランチ)~12:20 出発~13:05 県境稜線合流~13:30 品又峠分岐~13:35 グランスノー伊吹リフト~13:55 ブンゲン~14:15 笹刈山~15:00 名もなき三角点~15:40 虎子山~16:15 国見峠~16:50 国見岳スキー場跡地~17:20

 

日時 2024年5月18日(土曜日) 

天候 快晴

メンバー 強化人間331 単独

装備 日帰り装備(調理器具、雨具、食料、非常食、水3リットル)

距離 21キロメートル

推定累積標高差 約1,722メートル

所要時間 9時間45分(うち昼休憩30分、その他小休止含む)

備考 一部初ルート

 

1 バリルートを構築せよ!

わたしは伊吹山北尾根に異常なほどの執着心を抱いております。この日もなにかよいバリルートは構築できないかとヤキモキしておりまして、よさそうなルートを温めながら現地に着いたのでした。ところが開始地点に着いてみると、陽の当たらない湿った杉林が鬱蒼と茂っている。

 

あ、これはヒル出るわ。

 

あっさり温めていたルートは棄却されました。ヤマヒルに勝るものなんかこの世にないのです。急遽代替ルートを構築するも、沢の横断が不可能であるというアクシデントに直面します。もう序盤から踏んだり蹴ったりであります。ちなみに考えていたルートは次の通り。
春日村の麓からとりつき、北尾根へ通じる名もなき尾根を辿ってやろうという計画でした。下部の沢には橋っぽいマークがついていたので行けるやろと楽観していたのですが、現場には橋なんて影も形もありません。地形図の記載ミスや! と鬼の首を取ったように騒いでおりますと、ある事実に気づきました。
 
あ、これ堰堤の表記やわ……。
 
そら橋なんざ現場にあるはずがない。いつでも大切なのは現場です。事件も会議室ではなく現場で起きてますしね。そういうわけで本ルートも棄却され、結局掲載ルートとなったのでした。でもいつかここは辿ってみたい。過去に上部から下ろうとして失敗してますので、これにて2連続黒星であります。いまに見ておれよ……。
7:35、春日村千疋周辺の路肩に駐車。ご覧の通り超のつくド田舎です。この後しばらく堰堤を橋だと誤認して相当ウロウロしまして、結局貝月山にバリ尾根で登ろうと決まったのが8:10。大幅なタイムロスを喫しました。
取りつき点はこんな感じ。山腹を無理やりよじ登り、主尾根を目指します。いかにもヒルが出そうでしたが目撃なし。貝月山はヤマヒル天国として悪名高い西濃地域のなかで例外的に、生息の確認されていないエリア。この尾根も貝月山塊なので大丈夫でしょう。
序盤は驚くほど歩きやすい尾根でした。藪もほとんどなく、快適にサクサク歩けます。とはいえそこはバリルート、早速740メートル付近ですさまじい急登が待ち構えていました。
地形図に記載のある843メートルピークには9:10、着。大きな岩が鎮座してました。ここまでは急登があったくらいで藪も少なく、それほど苦戦は強いられていません。このまま逃げ切れるかと思いきや――。
そんなわけなかった。870メートル付近からいきなり藪の密生度が高くなり、進軍速度が顕著に落ちました。
尾根芯はほとんど絶望的です。少しでも藪の薄そうなところを見繕って縫うように登ります。とにかく時間がかかる。
10:05、1,030メートル付近に薄汚い池がありました。たぶんこれ見つけたのわたしが初めてじゃないですかね。この周辺だけは比較的藪が落ち着いており、つかの間の休息を得られました。
1,077メートルあたり、巨岩が尾根を封鎖しており、直登は不可。左から巻いてなんとか通過できました。その後はご覧の通り、逃げ場のない藪地獄が始まります。これまではそれほどドギツイのはなかったのですが、大岩を巻いたあたりからどこもかしこも藪だらけ、おまけに密度、硬度もあるのでとにかく漕ぐのに体力を使います。
もうホンマ勘弁してくれ。一面反発力の強い厄介な藪であります。一部獣道のようなのがうっすら通っている部分もありますが、基本的には全面藪です。数メートル進むのに5分かかるようなペース。
 
実は1年ほど前に貝月山を絡めた縦走ルートを考えていたのですが、現場視察を行った際、登山道外の尾根はどこも固めの藪に覆われていてこりゃ無理だな、と投げていたのでした。実行に移してみて改めて思いました。貝月山周辺でのバリルート構築は事実上不可能です。藪濃すぎ……。
終わりなき藪の大海原を漕いでいると、なにやら薄くなり始めました。
11:15、貝月山登山道に合流しました。たった600~700メートル程度の標高を稼ぐのに3時間かかりました。心身ともに疲れ果て、ザックを放り出してぐったり座り込む。久しぶりにドギツイ藪漕ぎでした。
根の張る前に歩きだし、11:25、貝月山(1,234メートル)着。この山は意外にもけっこう人気でして、いつ来ても誰かしら登山者が弁当を広げております。
展望台が設えてあって、眺望に優れています。白く雪をかぶっているのは白山でしょう。奥美濃の山々が重層的に折り重なり、山深さを感じさせます。
伊吹山方面もなかなかのスケール感。伊吹山のメインルートである上野はもうかれこれ1年以上通行止めが続いています。個人的に修復はされないのでは、と勘繰ってますね。
 
ドライヴウェイの運営団体からすれば、上野なんかから登られては困るわけです。3,000円(でしたっけ?)払って道路を使ってもらわねばならない。彼らからすれば、下から登る登山者はお金を落とさない乞食なんですね。
 
乞食のために登山道を整備するのは馬鹿げてますので、当然復旧は進まない。実際に登山道整備をしてくれているのはドライヴウェイ運営団体ではないでしょうが、復旧をさせない、ないしは遅らせるよう圧力はかけられます。
 
通行止めになる冬季はともかく、夏季はわたしの知る限り、上野以外だと伊吹山に直登できるのは上平寺ルートくらいしか思いつきません。しかし同ルートはヤマヒルが出るそうなので、事実上使用不可ですね。そもそも本ルートは知名度が低く、百名山の雷鳴に釣られてフラフラ登ってるような連中が知っているとは思えない。
 
かくしてナポレオンも驚きの大陸封鎖が張り巡らされました。上野さえ抑えておけば、乞食登山者たちはドライヴウェイを使わざるをえない。この図式が成り立つ限り上野ルートは開通しないのではないか――。邪推のしすぎでしょうか。
貝月山の様子。ベンチあり、展望台ありとローカルピークとしては異例の整備具合であります。西濃において唯一ヤマヒルのいない山は伊達ではありません。
360度の展望が得られます。遠く冠雪しているのは北アルプスでしょうか。奥美濃って地形図を見ると、かなり複雑に山脈が走っていて歩きごたえがありそうなんですけど、おそらくそのほとんどが藪山だと推定されます。鈴鹿程度の藪ならいざ知らず、今回のようなガチ藪となると開拓は困難を極めるでしょう。冬で藪が雪の下に隠れる頃合いにでも登ってみたいものです。
たくさんの人で賑わってました。若者たちもいまして、若い娘さんも珍しく目撃。ニホンオオカミを見つけた気分でした。
人の多い場所が苦手なわたしは早々に山頂を辞し、日越峠まで下りてきました。こちらは対照的にとても静か。ここでランチとします。
 
カップラーメンをすすりながら、これからの行程を予習しておきます。この日越峠から伊吹北尾根にシフトできるか否かが鍵となりますね。地形図的には下記の通りです。
県境合流まで行ければ、それ以後は何度も歩いているので大丈夫なはず。問題は日越峠~県境合流までの区間であります。どう考えても道はないでしょうから、またぞろ藪漕ぎを強いられるはず。区間的にそう長くないとはいえ、すでにヘビーなのをこなしてますからモチベーションが……。12:20、渋々出発。
予想通り日越峠以西は藪のディフェンス陣が。やれやれとため息をつきながら少し漕ぐと、
いきなり道がよくなりました。
ペナント代わりの赤い杭まで突き刺してありました。
もうほとんど通常ルートレベルの整備具合です。ラッキー、藪漕がなくてもいいやんと陽気に歩いていたわたしの背筋に、不意に冷たい汗が這い降りました。
 
この道、誰がなんのために通したんや?
 
地形図を再掲します。ご覧の通り登山道としての価値はゼロであります。貝月山登山道と伊吹北尾根をつないで、それで誰が得をするのでしょうか? この整備レベルからいって個人が切り拓いたものではないようです。
若干道を外れたところにビュースポットが。これもわざわざ出っ張りスポットを作ったことになります。道を作ってくれて個人的にはとても助かったのですが、用途がまったく不明で妙に怖い。もし詳しい事情をご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
 
さて尾根を快適に歩いていると、唐突に道がなくなってしまいました。ボーナスステージもここまでかと観念し、藪を漕いでいこうとするも濃さが尋常ではありません。もう尾根芯に余すことなくびっしりと生えてるのですね。
 
けっこうウロウロしたあげく、右へ巻いて沢へいったん降りればよいことに気づきました。沢を少し遡行すると別の尾根が始まっており、そちらに道がつけられていました。このシフトはちょっと難しいので、行かれる際は意識してください。
 
さて進むにつれ、どうも昔見た覚えのある景色になってきました。すぐにピンときたね。これはかつて伊吹北尾根を歩いていた際、どこともつながらない〈謎の道〉として処理した登山道であったのです! 詳しくはこちらの記事を参照。いや、1年越しに謎が解決してスッキリしました。ここにつながってたのね。
13:05、県境に合流しました。といっても県境尾根に合流したあともしばらくは藪がちなので注意。リフトあたりに出るまで道は非常に不明瞭です。地形図をよく見て歩いてください。
13:30、品又峠分岐。分岐というかゲレンデです。グランスノー伊吹のゲレンデをそのまま降りていくと品又峠に着きます。行きたい方は参考にしてください。いないとは思いますが……。
ブナの生い茂る正面あたりからガサリと出てきたかっこうです。ご覧の通り品又峠以東は県境登山道の質が急激に落ちます。日越峠へこちらから行きたい方はGPSを駆使しないと厳しいかもしれません。とはいえこんな間道が通されてたなんてホンマに驚きですなあ。なんの目的で造成されたんでしょうか。
13:35、リフト最高点。ここまで来ればもうあまり迷うようなポイントはありません。ひたすら尾根を辿って南下するだけです。

13:55、ブンゲン(1,259メートル)着。銘板戦争が勃発しており、各団体がめいめい好き勝手にぶら下げてますね。ちなみに標高は地形図によれば1,259メートルが正しいようです。

ブンゲンからは先ほどまでいた貝月山が望めます。多少強引ではありましたが貝月山~北尾根をつなぐことができて感無量。

14:15、笹刈山(1,212メートル)着。この区間はひたすら稜線を歩ける非常に快適なトレイルです。1本道で迷うようなか所もなく、ただひたすらゆるやかなに起伏する稜線を南下するだけ。序盤が藪地獄だっただけに雲上の散歩のような趣です。

伊吹山は北から見ると山頂部の平坦具合がよくわかります。しかしどこから眺めても伊吹山はすぐにわかる。百名山の名に恥じぬ山容でしょう。

笹刈山直下はご覧の通り、笹の海が広がっています。これを刈り払って道を通した先人の偉業に敬礼。実は本ルート、比較的最近(2000年代)造成されております。なんでも県境稜線をどうしても走りたいと祈念していたトレラン畑の人びとが、人足を投入して切り拓いた由。彼らの執念には特筆すべきものがありますね。

道はしばらくトラバース気味につけられています。ついつい支尾根に入り込みそうになるか所もあるので、自分がいま稜線を歩いている、という認識を常に持ちましょう。基本的にはペナントあり、道ありの極楽トレイルです。

トラバースはこんな感じ。一部道が消えかけているエリアもあるのでよく観察してください。地図に記載のないバリルートではありますが、整備レベルは一般道と遜色ありません。

15:00、名もなき三角点。距離的にけっこう歩いてますがこの日は調子がよかったのか、それほど疲労も見られません。序盤に藪漕ぎ地獄を突破しているのにこの余裕。よほど快調だったようです。

16:15、虎子山(1,183メートル)着。本稜線は1,200~1,100メートル台を緩やかな起伏で歩ける、たいへん快適な登山道であります。今回のように強引なループコースを構築しない限り、行けるところまで行って引き返すピストン山行になりがちなため、人通りは皆無。奥美濃の眺望を独占できる穴場スポットでありましょう。

相変わらず眺望はよい。貝月山からもだいぶ離れました。1年前は本ルートとは別の手段にて、貝月山方面へ縦走した記憶があります。このエリアはやろうと思えば、縦走ルートを自在に構築できそうです。

眼下に春日村が。ご覧の通り山塊に挟まれた深い谷にへばりつくように民家が点在しています。わたしの父親の在所もこのあたりです。自然が多くてよい場所なのですが、住むとなるとまず不可能でしょう。仕事もないし、電車もバスも走っていません(バスは運行してますが、1日3便程度なので事実上ないも同じ)。不便とかそういうレベルの次元ではありません。

虎子山からザクザク下って国見峠、16:15着。このままおとなしく林道を歩いて帰るか、バリエーションを開拓しつつ下山してグランドフィナーレを飾るか。ちょっと迷いましたがさすがにこの時間から登山道のない尾根を辿るほど無謀ではなく、お利口さんルートである林道歩きを選択しました。ちなみに考えていたバリエーションは以下の通り。

お利口さんルートと比べて無駄なく尾根を下る、スタイリッシュな行程ですよね。比較的里に近いし、開始地点に神社があるようなので、おそらく踏み跡程度くらいのトレイルはあったでしょう。秋口あたりでヒルの心配がなくなったら一度、挑戦してみたいものです。

ご覧の通り、国見峠林道は超高規格道路であります。クオリティが高いのは喜ばしいことですが、公共工事による地方活性化という古臭いマクロ経済政策は、あんまり意味ないと思うんですよね。

 

カラクリはこうです。地方零細建設業の雇用を守れ→なんでもいいから工事を発注しろ→地方零細建設業が受注→同社の売り上げが立ち、雇用が守られる→立派な国見峠林道が完成! で、誰が便益を受けているかというと、わたしのようなごく一部の山屋と零細企業だけです。これが果たして正しい税金の使い方なんでしょうか。

 

政府や地方公共団体から無意味な仕事をもらえなければ生き残れない会社は潰れたらよろしい。日本の生産性が低いと言われるのは、こうしたゾンビ企業がゴロゴロしているからです。資本が有効に投資されていないのですね。

 

百歩譲って雇用を守るために地方零細企業を助けるとしても、なぜわざわざ無意味な仕事をやらせるのでしょうか。それならいっそのこと、補助金を直接出したらよいではないですか。公共事業発注という形にすれば、ばら撒き政策がバレないとでも思っているんでしょうか。それはちょっと国民の知的レベルを軽んじすぎていますよ。それくらいみんな知ってます。

 

なぜこうしたばら撒きが起きてしまうのか? それは日本の代議士がロビイストを兼任しているからです。アメリカではロビイストという正式な職業があり、彼らが自分たちの利害を主張して法律に反映させるなり献金を集めたりしています。政治家は雑事から解放され、本来の仕事である立法を行う。

 

ところが日本の場合、政治家=ロビイストといっても差支えないくらいなので、地方政治家が「中央から予算を分捕ってこられるのはわたしだけだ」などと、平気で公約しちゃう。政治献金やら特定企業との癒着やらが横行するのは日本の政治家のモラルが特段低いからではなく、仕事のほとんどがロビイ活動であるという構造的問題に帰着するのですね。これを変えない限り、政治にお金がまとわりつくのは避けられません。

 

というかもはや、どうしたって政治をクリーンにするなんてどだい無理な話なのです。選挙やらなんやらで絶対にお金が必要なんですから、そこはもういいじゃないですか。われわれ国民はどんな手段を使って集金してもいいと大上段に構えるべきです。というか清貧の政治家ってカッコいいですか? 国民の代表が貧乏長屋に暮らしてて、それで世界に示しつきますかね。一国の政治家たるもの、ビシッとアルマーニのスーツに身を包んで、プレジデントに乗ってるくらいでちょうどよい。

 

政治資金は己の才覚で集めてもらって、その分本業である政治に全精力をつぎ込む。それでこそ本当の政治家といえるのでは? 弁護士や医師が本業の兼任政治家が幅を利かせるよりも、よっぽど政治レベルが上がると思うのですが、いかがでしょうか。

 

政治家って本業の片手間にやる仕事ではないでしょ。4年あるいは6年に一度失業するリスクはあるけれど、だからといって別の仕事を生計のバッファにするような奴は、再選する自信のないザコ野郎なのであります。落選しても本業があるからいいや。こんな後ろ向きの態度の政治家に、わたしは日本を背負ってほしいとは思いません。

 
わたしもお金があれば出馬するんですけどねえ。確か衆議院議員立候補のための供託金は600万円だったかな。みなさんこれ払えますかね? 出馬するだけで600万円ですよ。勝てば戻ってくるけれど、負ければそのまま没収です。供託金の供出はいい加減な泡沫候補の乱立を防ぐためという名目だそうですけど、どうせ国政選挙なんて億単位のお金がかかるんですから、なにゆえ死体蹴りみたいな真似をやらかすのでしょうか。有望な若い人が立候補しようとしてもこの時点で足切りですよね――。
 
つーかお前、資金は自分でなんとかしろって言ってなかったか?
 
あ、そうでした。1億円程度も用立てられないのなら、そもそもどだい政治家なんていう大役は務まらないということですね。貧乏人で有能な人ってほぼいないでしょうから、集金能力はそのまま政治家としての資質に直結します。これにて清貧の政治家というなんとなく好ましいイメージ像が完膚なきまでに粉砕されました。やっぱり世の中金だよ金!
オチがあまりにも汚かったので、せめてキレイなお花でお茶を濁します。たぶんタニウツギ。癒されますなあ。
16:50、国見岳スキー場跡地。伊吹山ドライヴウェイはご覧のように、執拗に道路を歩くなと脅しをかけております。ああおっかな。
 
あとはひたすらロード歩きに終始し、17:20、車回収でした。本当はもう少し早く着いたはずなんですけど、お粗末なことに車の位置を失念しており、余分な行程を歩いてしまいました。強化人間331、すでに痴呆が始まっている……?
 
2 コース所感など
よほどの変態でない限り、序盤の貝月山バリエーションは避けたほうが賢明です。わたし自身二度と歩きません。藪深すぎい! 伊吹北尾根を絡めたループコースを作る場合、ご紹介したバリルート以外なら東谷を詰めるのがよいでしょう。こちらなら途中まで林道になってますし、それ以降も(国土地理院の地形図には)登山道表記があります。わたしの歩いた藪地獄よりは絶対にマシでしょう。参考までに東谷コースを図示しておきます。
それ以降は読図さえできれば大丈夫です。比較的難易度が高いのは日越峠から県境稜線へのシフト、県境稜線からリフト最高点までの区間でしょう。ここさえクリアできれば北尾根の極楽トレイルを歩くだけですので、なんとか頑張ってください。
 
3 反省
藪地獄は事前に予測できないので、これは反省点なし。体当たり山行をやって初めて現場のことがわかるのです。机上でいくら読図しても行ってみないことにはわからない。バリルート開拓とはそうしたものです。
 
今回は序盤にヤバそうなポイントを詰め込んでおり、終盤は勝手知ったる北尾根ルートですので、下山リスクをほぼ0にまで低めた模範的ループコースを構築できたと自負しております。バリルート開拓は登りに詰め込め。今日はこれだけ覚えて帰ってください。
 
さて次回予告。次はガラリとフィールドを変えて、南アルプス光岳の泊まり山行となります。F女史も再登場しますので、乞うご期待。
 
おわり