■この技術を後輩へ
事件・事故現場を上空から映した映像をニュースで見る。フジテレビの取材ヘリコプターに乗って、その映像を撮影している。
カメラはヘリ機体の下部に装着されている。カメラマンは機内でモニターを見ながらズームなどの操作を行う。「ヘリは大変振動するので、揺れを吸収するうえ、リモコンで制御ができるカメラになっています」。それでも、動くヘリから安定した映像を送るのは至難の業だという。
「中継の場合、さらに中継映像の電波送信、リポーターもやることがある。だから、ヘリカメラマンは一人ですべてできる技術がないと務まらないのです」
事件・事故現場に真っ先に飛んでいくヘリ。「重要な部分を見失わないようにすると同時に、現場を広く見て、撮り残しがないように気をつけます」という。竜巻被害では、指示された現場のほかに被害場所はないか、注意する。
ヘリ搭乗800時間近くのベテランのモットーは安全第一。4年前に気象予報士の資格も取得した。「ヘリからの映像に自分だけのものを織り込めたらうれしい。この技術を後輩に継承したい」と話す。