インターネットバンキングの正規サイトにログインすると、利用者が知らないところで犯罪者の用意した口座へ自動的に不正送金が実行される-。警察当局は今年、こんな新手のコンピューターウイルスによる被害を国内で初めて確認した。
MITB攻撃と呼ばれる。MITBは「マン・イン・ザ・ブラウザー」の頭文字を取った略語で、ネットを閲覧するブラウザーが乗っ取られた状態になるのを「まるでブラウザーの中に人がいるようだ」と表現した。
警察庁によると、今回の手口では、利用者がネットバンキングのサイトにログインしたところ、ウイルスに感染したパソコンがこれを検知し、自動的に他人名義の口座へ不正送金を命令。利用者本人はまったく気付かず、送られた金はその後、引き出されたという。