【ウクライナ情勢】露の人道支援の車列は「トロイの木馬」か 米が強く警戒 | 毎日のニュース

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 【ワシントン=加納宏幸】ロシア政府が12日、ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が続くウクライナ東部に大規模な人道支援の車列を送ったことについて、米政府は「ロシアによるウクライナ情勢への介入強化につながる」として警戒している。ロシアが自国領からウクライナ軍への砲撃を続けていることに加え、「人道支援」を口実に親露派をテコ入れする可能性があるからだ。

 「トロイの木馬のように、人道支援物資以外のものを越境させるとすれば違法だ」。米国防総省のウォーレン報道部長は12日、ロシアが人道支援を隠れみのに介入することへの強い警戒感を記者団に示した。

 ウクライナのポロシェンコ政権はロシアの人道支援について、赤十字国際委員会(ICRC)の監督下で実施されることを条件に受け入れた。米国務省のハーフ副報道官は12日の記者会見で、ウクライナ政府から米政府に同日、東部ハリコフの国境で人道支援物資を受け取り、ICRCによる監督の下、親露派が輸送の安全を保証する形でルガンスクに送るとの連絡があったことを明らかにした。

 ハーフ氏はウクライナ政府の判断を支持する一方、「ロシアには人道支援の車列に偽装したり他の口実を設けたりする形で、ウクライナ政府の許可なく一方的にウクライナに進入する権利はない」と牽制(けいせい)した。