【ニューヨーク=黒沢潤】カナダのアンブローズ保健相は12日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の予防薬として、800~千回分の試験ワクチンを提供する考えを示した。
緊急事態に対応するため、開発途中段階の薬であっても世界保健機関(WHO)が投与を認めたのを受けた措置。カナダの試験ワクチンについては臨床が済んでいないため、実際の効果については不透明な部分もある。
カナダには現在、約1500回分のワクチンがある。今後の研究に生かしたり、感染者がカナダに入国した際に使用したりするため、一部を国内に常備する方針。
カナダ政府はワクチンに加え、エボラ出血熱対策費として、WHOに18万5千ドル(約1890万円)を提供する。アンブローズ保健相は感染拡大阻止に向け、医療スタッフを西アフリカにできるだけ派遣すると表明した。